岡野俊一郎氏が肺がんで死去 田嶋JFA会長「ご自分の死期を意識」

 元日本サッカー協会(JFA)会長で長年国際オリンピック委員会(IOC)委員を務めた岡野俊一郎氏が2日に肺がんのため死去したことが3日、分かった。85歳だった。

 訃報に接し、田嶋幸三JFA会長、川淵三郎JFA最高顧問らがお悔やみのコメントを発表した。

 田嶋幸三JFA会長 「昨年11月末に岡野さんからご連絡をいただき、入院されている病院に行きました。これまでのサッカーの話やこれからのこと、本当に色々なお話を伺いましたが、ご自分の死期を意識されているような話しぶりで、一抹の寂しさを感じました。若い頃、サッカーの勉強をしていると、必ず、岡野さんが訳された文献にあたり、岡野さんのお名前を見る度、日本サッカーの国際的な窓口であり、広く世界に扉を開いている方だと思っていました。今頃、クラマーさん、長沼さん、平木さんと天国で会っているのかもしれません。心からのご冥福をお祈りします」

 川淵三郎JFA最高顧問 「東京オリンピック、メキシコオリンピックともにクラマーさんの教えは全て岡野さんを通じて、我々選手に伝えられました。そういう意味で、“日本サッカーの伝道師”と言えるでしょう。サッカー以外にもIOCやJOCの要職を務められ、また、教育にも携わるなど幅広く活動されました。日本サッカーの誇りと言うべき方でした。謹んでご冥福をお祈りします」

 小倉純二JFA最高顧問 「デッドマール・クラマーさんを招へいしたときから、岡野さんは長沼健さん、平木隆三さんとタッグを組み、日本サッカーの躍進に力を尽くされました。JSL(日本サッカーリーグ)の創設にも携わられたわけですが、JSLがなかったらJリーグもできなかったわけで、岡野さんは、まさに日本サッカーの黎明期を支え、日本サッカーの基礎を築いた偉大な方です。心からの感謝を申し上げます」

 大仁邦彌JFA名誉会長 「メキシコ大会後にスタートした『ダイヤモンドサッカー』は岡野さんの代名詞で有り、サッカーの普及に大きく貢献しました。岡野さんの後を引き継ぐ際、岡野さんの解説があまりにも評判がよかったため、大きな重圧を感じましたが、岡野さんの後を継ぐことができたことは光栄でした。日本サッカーにとってかけがえのない方でした。ご冥福をお祈りします」

 村井満チェアマン 「また一人、偉大な先輩がお亡くなりになられ、大きな喪失感に言葉もありません。岡野さんはJリーグの前身である日本サッカーリーグの設立に携わり、Jリーグ創設時の初代ボードメンバーでもありました。日本サッカー全体の発展に尽力なさる傍らで、厳しくも温かい眼で常にJリーグの行く末を案じ、成長を後押ししてくださいました。岡野さんが想い描かれた明るい日本サッカーの未来を、サッカーに関わる人々全員で築き上げるのが、故人のご恩に報いることではないかと思います。どうか安らかにお休みください。謹んでお悔やみ申し上げます」

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