鹿島まずは一冠 国内3冠&ACL制覇へ今季初公式戦で好発進
「富士ゼロックス・スーパーC、鹿島3-2浦和」(18日、日産スタジアム)
昨季J1と天皇杯を制した鹿島が、J1で2位だった浦和を3-2で下して7年ぶり6度目の優勝を果たした。鹿島はMF遠藤康(28)が前半39、43分に得点。その後、一時は同点とされたが、後半38分に途中出場のFW鈴木優磨(20)が決勝点を挙げた。賞金は鹿島が3000万円、浦和が2000万円。国内3冠に加え、アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)の優勝も見据える常勝軍団が、今季初の公式戦で幸先良いスタートを切った。
虎視眈々(たんたん)と狙っていたその瞬間を見逃さなかった。2-2の後半38分、浦和DF遠藤のバックパスに途中出場のFW鈴木は反応した。「今日のスタジアムは水をまいていなかったので、ボールが止まるのは分かっていた。狙っていたゴールですね」。相手の連係ミスにも助けられたが、左足でゴールに流し込んだ。
ただ、鈴木の表情に満足感はない。「自分が(後半20分に)入ってから2点取られた。体も張れていなかったので、納得いっていないです。今日は点を取っただけですね」。今季始動から、対外試合で6戦6発とアピールを続ける。今季から背番号「9」をつける20歳は、殊勲のゴールにも自己採点は厳しい。
クラブ創設から、国内主要大会で通算19度の優勝経験のある常勝軍団。ゼロックス杯はリーグ開幕前の一戦だが、石井監督が「JとACLの弾みにもなる。今日は必ずタイトルを取りにいこう」とミーティングで繰り返し訴え続けた。鹿島にとっては悲願となるACL制覇も含め、全大会でタイトルを目指すスタイルは、この日も健在。MFレオシルバら新戦力も機能するなど、開幕に向けてポジティブな要素は多い。それでも勝利の余韻に浸ることもなく、2得点のMF遠藤も「内容は良くない。ウチらしいサッカーではなかった」と語り、次なる戦いを見据えていた。
「もっと(相手を)圧倒して、全タイトルを取れるように頑張ります」と鈴木。分厚い選手層に加え、勝者のメンタリティーを持つ鹿島は、今季も優勝争いの筆頭だ。