「明治安田生命Ｊ１、鳥栖１－０広島」（１１日、ベストアメニティスタジアム）

　鳥栖が競り勝ち、今季３戦目で初勝利を挙げた。新加入ＭＦ原川力（２３）が開幕戦に続いてＦＫを直接決めて先制。前半４４分に挙げた虎の子の１点を死守し、リーグ戦で９戦勝ちがなかった広島を相手に２０１２年４月１４日以来、５季ぶりに白星を挙げた。

　助走に入った瞬間だった。ゴールやや左、約２５メートル。前半４４分に直接ＦＫを得た鳥栖の原川は、逆サイドにパスを出そうとして、思いとどまった。「追い風が吹いていたので。自分のキックを信じた」。２０メートルのＦＫ弾を決めた開幕戦よりも強めに蹴ったという、鋭い弾道のボールが４枚の壁を越えてゴール左隅へ吸い込まれた。過去４シーズン土をつけられなかった広島を破る一撃となった。

　昨季川崎でリーグ戦４試合しか出場できず、出場機会を求めての移籍。武器にしようと、京都Ｕ－１８（１８歳以下）時代に居残り練習で磨いたセットプレーのキックを鳥栖でも練習し続け、開幕３戦で早くも２得点目となった。

　後半は１人退場して１０人になった広島に攻め込まれながら、全員で体を張ってゴールを死守。「１人少ない相手に受けに回った」とフィッカデンティ監督が課題を口にする。原川も「早く２点目を取れれば、楽に勝てた。駆け引きとしたたかさを身につけたい」とさらなる高みを目指す。