カズJ史上初の50歳弾!メモリアルゴールがチームを勝利に導く
「明治安田生命J2、横浜FC1-0群馬」(12日、ニッパツ三ツ沢球技場)
横浜FCのFW三浦知良(50)がホームでの群馬戦、前半40分に決勝点となるゴールを挙げ、自身が持つJリーグの最年長得点記録を49歳5カ月12日から50歳0カ月14日に更新した。東日本大震災から6年。試合前に犠牲者へ黙とうを捧げた試合で、J史上初の50代ゴールという金字塔を打ち立てた。
重み、思い、積み重ねてきたものを感じさせるカズダンスだった。横浜FCベンチ前に駆け出すとみるみるチームメートの輪ができる。華麗なステップを踏み、フィニッシュは右膝をピッチにつき、ゆっくりと右手人さし指を突き上げた。「貴重な1点で今日は勝てて良かったです。それがすべてです」。自身の足で勝利を射止め、顔をほころばせた。
FWイバのシュートがこぼれたところを詰めた。「今日は見えましたね」。GKら相手選手が固めた中のわずかなコースを通す技術は健在だった。前日は中村俊輔(磐田)が直接FKでゴール。親交が深い香川真司(ドルトムント)もアシストをした。「なんとなくですけど。自分も取れたらいいなと。アップの時のフィーリングも良かったので」。予感を現実にする前には得意のまたぎフェイントで客席も沸かせた。
試合前には、東日本大震災の犠牲者への黙とうを捧げた。6年前の復興支援試合では得点を挙げ、前日まで「踊ってもいいのだろうか」とためらっていたカズダンスを「何かを届けるため」渾身(こんしん)の力で踊った。それから6年。「それも心の中にちょっとあって」という思いをはき出すようにゴールを決めた。「ニュースを見ていて、そういう話題が多いので」。人を勇気付けるカズのゴールが持つ力は変わらない。
この日、横浜FCの控えGKだった大内一生は16歳。自分の長男よりも若い選手と毎日汗をかいている。「そういう選手たちと毎日練習を全力でやっていく。その積み重ねがゴールになっているのかなと思います」。史上初の50代ゴールを決めた後も、カズはサッカーと共に歩んでいく。