ハリルJ激痛…負けられぬ一戦で試練 長谷部が左膝の手術で欠場濃厚
「W杯アジア最終予選、UAE-日本」(23日、アルアイン)
W杯アジア最終予選のUAE戦に臨むサッカー日本代表が19日、現地入りした。6大会連続での本大会出場を目指す日本だが、ドイツ1部のEフランクフルトは所属するMF長谷部誠(33)が、痛めている左膝を手術することを理由に「無期限離脱」と発表した。長谷部は予定通り現地19日夜(日本時間20日未明)にUAE入りするが、同戦出場のめどは立っておらず、欠場が濃厚。負けられない一戦を前に、不動の主将が不在という逆風が吹いてきた。
険しい表情は、臨戦態勢から来るものではない。決戦直前に舞い込んだ、主将の深刻な負傷問題。早朝にUAE入りしたハリルホジッチ監督の表情は重い。「監督はかなり神経質になっています。ピリピリしてます」。ある代表スタッフは指揮官の胸中を代弁した。
“凶報”が舞い込んだのは日本を出発する直前の18日午後。16日のメンバー発表時には長谷部の回復状況を口にし、UAE戦に起用する方針を示していた指揮官だが、その後の所属クラブで行われた精密検査で事態は一変。ドクターらの意見を総合して、クラブ側は左膝の手術が避けられず「無期限離脱」すると発表した。
代表チームのメディカルスタッフも状態を把握するため、ひとまずは代表に合流することになったが、大きな戦力ダウンは否めない。南ア大会、ブラジル大会に引き続き、3度目のW杯予選を戦う長谷部だが、最終予選での欠場は出場停止だった3試合のみ。しかもその3試合はすべて本大会出場を決めた後の消化試合だった。
既に代表選手たちには、長谷部の出場が難しい旨が伝えられているという。ロシア行きの明暗を分ける一戦を前に、ハリルホジッチ監督が「非常に強いわれわれのキャプテン。彼なくして、現在のわれわれのチームは考えられない」と全幅の信頼を寄せる大黒柱の不在はあまりにも痛い。
大きな不安と共に幕を開けた、UAE合宿。多くの障壁を乗り越え、勝利をつかめるか。