本田 俺が引っ張る 長谷部離脱で大ピンチ「リーダーとして考えたい」
「W杯アジア最終予選、UAE-日本」(23日、アルアイン)
アラブ首長国連邦(UAE)で合宿中のサッカー日本代表は21日、冒頭15分間を除いた非公開練習を行った。所属クラブで、なかなか出場機会が得られないまま招集となったFW本田圭佑(30)=ACミラン=は得点を宣言。主将のMF長谷部誠(33)=Eフランクフルト=の負傷離脱など、逆風が吹く中で代表チームをけん引する考えを示した。
砂ぼこりが舞う空気に、まばたきの回数が増えた。「目が慣れるまではね。でも、問題ないし、やり始めたら気にならなかったけど」。練習後、本田の目に、かつてのギラつきはなかった。
今季はベンチを温める試合が続き、1月以降の出場時間は公式戦14試合で、カップ戦の後半ロスタイムに出場したのみだ。日々の練習でコンディションは維持していると主張するが、「試合勘というのはまた(違う)ね。緊張感とか(も違う)ね。ガチでやってくる相手っていうのは練習ではいないから」と、試合の感覚は練習では培えないことは分かっている。
招集の是非を問う声があったことにも理解を示す。「いいんじゃないですか。みんながそのことで盛り上がるのであれば。いずれはサッカーも辞めるわけだから。何てことはない、自然の摂理は摂理。で、そのうちに死ぬわけだから」
まるで達観したかのような言葉。だが、もちろん現状に納得をしているわけではない。「ただ、今この時点というのは本望じゃない。それをね、自分で切り開く。特に大一番なのでね。もちろん自分が出たら、点を取るつもりでやりますよ」。ハリルホジッチ監督が期待する強じんな精神面は健在だ。
UAE戦で先発落ちの危機にひんし、チームも長谷部の離脱など不安要素は多い。それでも「今、自分がメンバーとして入っているのであれば、何ができるのか、選手として、チームのリーダーとして考えたいなと思う。やるべきことがいくつかあるんじゃないか」。悩み、苦しむ金狼。己とチームの未来に光が差し込む一撃を決められるか。