久保、新エースに名乗り! 抜群の攻撃力、2戦連発2アシスト 

 「W杯アジア最終予選、日本4-0タイ」(28日、埼玉スタジアム2002)

 新エースに名乗りだ。FW久保裕也(23)=ヘント=が2試合連続ゴールに2アシストの活躍で、4-0の快勝に貢献した。3連勝で勝ち点を16に伸ばし、W杯出場圏内のB組2位以上を保ったハリルジャパンにとって、抜群の攻撃力を備える男はもはや欠かせない存在。6月13日にイラクと対戦する第8戦でも、伸び盛りの23歳には大きな期待がかかる。

 日本代表に新たな時代が訪れようとしている。右FWで3試合連続先発出場した久保が1得点2アシスト。ハリルジャパンでは本田の定位置だった右サイドで圧倒的な存在感を放った。前半8分に香川の先制点、同19分には岡崎の代表通算50得点を、いずれも右クロスでアシスト。最後は後半12分にスローインを受けると「うまく(相手を)外せた。フリーだったので冷静だったし落ち着いていた」と、ペナルティーエリア外から迷わず左足を振り抜きゴール右上に突き刺した。

 W杯最終予選で代表初得点から2試合連続ゴールを決めるのは、呂比須ワグナー、栗原勇蔵に続き史上3人目の快挙。「得点に絡めて良かった」と静かに笑った。23日のUAE戦でも1得点1アシスト。2試合でチームが挙げた6得点中5得点に絡む大活躍だった。

 待ち望んだストライカーの出現に、ハリルホジッチ監督も笑みが止まらない。「久保は質の高さ、決定力の高さを見せた。私が彼を起用したが、彼自身が裏付けをくれた。若くて、このような選手を見つけたのは一つの発見であり、これからの進化を期待している」と惜しみない賛辞を贈り、試合後は頭を叩いて祝福した。

 口数こそ少ないが得点へのこだわりは胸に秘めている。

 スイス1部ヤングボーイズ移籍後、当時のフォルテ監督からはトップ下の役割を求められた。香川のプレーを集めたDVDを毎日のように見せられ「このプレーをやれ」と告げられた。途中出場の際には「シュートを打つな。アシストをしろ」とまで言われたこともあった。「悩んでトップ下の選手になろうかと思いかけたこともあった」。それでもストライカーの矜持を捨てることはなかった。1月にベルギー1部ヘントに移籍。3戦連発を含む7戦5発と好調を維持し、今季はスイスとベルギーで通算17得点を量産。欧州組の中でも出色の数字を上げている。

 後半21分に本田が投入された際も右FWからポジションを移すことはなかった。本田の“玉座”を禅譲された形となったが、「満足感はない。絶対的なポジションはないし、出続けるためには結果を残すしかない」と慢心はかけらもない。リオ世代のストライカーが、新たなエースに名乗りを上げようとしている。

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