斎藤学、先輩・俊輔に気後れなし 足蹴って怒られた

 試合後、クレヨンしんちゃんとポーズを決める斎藤学
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 「明治安田生命J1、横浜M2-1磐田」(8日、日産スタジアム)

 横浜MのMF斎藤学が2アシストで勝利に貢献した。前半26分に左サイドからマルティノスへクロスを上げ、後半28分には決勝ゴールのDF金井へラストパスを通した。今季、磐田へ移籍した中村俊輔と1対1になる場面では、相手の足を蹴ってしまう、いわゆる“削る”守備で激しさも見せた。

 試合後は喜々として俊輔にユニホーム交換を求めた。横浜Mの新旧10番対決と注目された一戦前は「マリノス対ジュビロ」とチームを前面に出してはいたが、終わった後は「気にしないわけない」と本音がこぼれた。「前半終わった時めちゃくちゃ頭痛かったから。何でだろうね。相手にしてすごくいやな選手だし、立ち位置とか守備のゾーンとか」。口をついて出るのは、背番号10と主将を受け継いだ偉大さばかりだった。

 ただ、気後れだけはしなかった。「俊さんのやりたいサッカーにも穴はあるわけだし。今日、僕らが見せたプレーにもピンチはあった。そういう中で、僕はジュビロ相手にいい試合が出来たと思うのでポジティブにとらえたいです」と胸を張った。何より、試合中は偶然とはいえ、俊輔の足を蹴ってしまうこともいとわずボールを奪いにいった。「逆から取りに行こうとした時にいい持ち方されて、ボールをつつけるかなと思ったらアキレス腱みたいなところにぐっと入っちゃって…あの時、怒ってたんで、すぐ謝りに行って。『すいませーん』って」。敬意は持ちつつ、全力をぶつけた。

 自身の2アシストよりも、「一人一人が走り切って、球際、戦って最後の最後まで戦う姿勢を見失わなかったことがうれしいです」とチームの勝利を喜んだ。0-2で敗れた1日のC大阪戦を受け、オフ明けに選手だけのミーティングを開いた。必ずしもミーティングを開いたからといって事態が好転するとは限らないが、「みんなで意識の共有をしたかった」と斎藤の思いで開催に踏み切った。「意識的なものを話し合った」と意見をぶつけ合い、1週間の練習でチーム全体のモチベーションが上がるのを肌で実感したという。

 この日、対戦した中村俊輔は「一番はメンタル面。人として成長するとプレーだって落ち着く。去年の途中ぐらいから良くなった」と評価した。自身は全力でプレーした上で、チーム全体に視線を行き届かせる、そんな存在感のある選手へと飛躍している。帰り際、新しいリュックサックを背負った斎藤は、「きょうのリュック、後輩たちから誕生日でもらったやつなんですよ。負けたら、もうつけられないなと思ってたから、勝ったからまたつけてきます」。4日に27歳を迎えたばかりの新主将は後輩への気遣いも忘れなかった。

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