香川狙われたIS爆破テロか DFバルトラ右手骨折 現場近くで犯行声明
ドイツ西部ドルトムントで11日、サッカーの欧州チャンピオンズリーグ(CL)の試合のため、スタジアムに向かっていたMF香川真司(28)の所属するチームバス付近で3度の爆発があった。主力DFバルトラが骨折して病院で手術を受けた。同乗していたとみられる香川を含め他にけが人はなかった。検察当局は12日、イスラム系の人物1人を拘束したと明らかにした。ドルトムントでのモナコ(フランス)との準々決勝第1戦は、12日午後6時45分(日本時間13日午前1時45分)開始に延期となった。
警察などによると、爆発は11日午後7時(日本時間12日午前2時)すぎ、ドルトムントの本拠地スタジアムから約10キロの距離にあるホテルをチームバスが出て大通りに入った直後に起こった。衝撃で側面の窓ガラスに大きなひびが入るほどで、後部に座っていたバルトラは骨折した。
現場近くで犯行声明が見つかり、地元紙はイスラム過激派の犯行を示唆する内容だったと報道。捜査当局はチームが標的だったと断定する一方、声明は捜査のかく乱が目的との見方も含めて慎重に調べている。
南ドイツ新聞(電子版)によると、犯行声明は、シリアなどで続く過激派組織「イスラム国」(IS)掃討作戦にドイツが偵察任務に当たる戦闘機を派遣しているため、ドイツのスポーツ選手がISの標的になっていると主張。
また、DPA通信によると、極左の関与を示す別の声明もあり、ドルトムントの人種差別主義者やネオナチに対する対策が不十分だったことが犯行の理由だと指摘しているという。現場周辺で爆発物のような不審物も見つかっており、当局が関連を調べている。
ドイツ・メディアは選手らは警察に警護されながら避難し、宿舎に戻ったと報じた。その後は各自の車などで自宅へと戻ったという。