ドルトムント爆破事件乗り越え強い心見せるも惜敗 香川「恐ろしい体験した」
「欧州CL・準々決勝、ドルトムント2-3モナコ」(13日、ドルトムント)
第1戦の3試合が行われ、11日にチームバスが試合前に爆発の被害に遭ったドルトムント(ドイツ)は、延期されていた一戦でモナコ(フランス)に2-3と惜敗した。MF香川真司(28)の1得点1アシストも実らなかった。FW岡崎慎司(30)のレスター(イングランド)はアトレチコ・マドリード(スペイン)に0-1で競り負け、レアル・マドリード(スペイン)はバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)に2-1で逆転勝ちした。
強い心で立ち向かった。チームバスを襲った11日の爆発事件から一夜明け。会場の各所で銃を構えた警察官が目を光らせる厳戒態勢下で惜敗を喫したドルトムントだが、香川は随所で切れのある動きを見せた。
0-2の後半12分、オバメヤンが左クロスを難しい体勢からかかとでつないだ球に反応。GKよりも先に触り、デンベレのゴールをアシストした。39分には右からのパスを前方にうまくトラップして縦に突破。鋭く切り返して相手をかわし、左足で決めた。欧州CL決勝トーナメントでの初ゴール。国内リーグ戦に続く出場2試合連続の1得点1アシスト。跳び上がって拳を握った。
試合後、香川は警備上の理由から取材エリアを通らず引き揚げたが、一夜明けた13日、爆発後の心境について「試合できる状態ではなかった。それはみんな一緒だと思う」と明かした。
15日には国内リーグ戦、19日には欧州CL準々決勝第2戦が控える。「試合は続くし、やれることをやるしかない。ただ、それ以上に大事なものは存在する。それほどの恐ろしいことを僕たちは経験してしまった」と神妙な面持ちで語った。