久保15歳10カ月J最年少弾!左足だけでDF3人翻弄!
「明治安田生命J3、C大阪U23 0-1 FC東京U23」(15日、ヤンマースタジアム長居)
FC東京U-18所属で、J3のFC東京U-23に参戦しているU-20日本代表MF久保建英が15日、C大阪U-23戦(ヤンマー)の前半38分に今季初得点を決め、15歳10カ月11日のJリーグ最年少得点記録を更新した。これまでの記録はFW森本貴幸(当時東京V、現川崎)の15歳11カ月28日。久保は2トップの一角として今季4試合目の先発出場。両チーム最多4本のシュートを放つなど後半40分までプレーした。試合は1-0でFC東京U-23が勝利した。
その左足は絶品だった。前半38分、ペナルティーエリア左隅からドリブルに入った久保は3人を翻弄(ほんろう)。「思い切りの良さが自分の特長」と、角度のない位置からニア上を打ち抜いたシュートはGK圍の手をはじき、クロスバーとポストを叩いてネットを揺らした。森本のJリーグ最年少得点記録を13年ぶりに塗り替えた一発は、全て左足だけで生み出された。
8日の高円宮杯U-18プレミアリーグに続く“2戦連発”だが、Jの舞台では初得点。「目に見える結果を残せていなかったので決まって良かった」と安どした。舌を出し、少しおどけながら祝福のベンチに駆け寄る姿は、高校1年生になったばかりの15歳だった。
高水準の技術が凝縮された一撃であったことを、昨季までFC東京に所属していた圍は証言する。「クロスの足の振りからアウトサイドに掛けて、ボールをブレさせた。あの年齢でできるのはすごい」と、10歳下の駆け引きに舌を巻いた。
体格面の成長も進化を後押しする。久保によると身長は1年間で「5センチ以上伸びた」。オフの日もジムで体を動かすなどして体重も増量。圍は「体を当てられたらプレーをやめていたが、ボールを保持できるようになった」とフィジカル面の成長に目を見張った。前半には強烈なミドルも放ち、FC東京の立石GMは「パンチ力もある」と明かした。
待望のゴールにも「どんなゴールでも重みは変わらない。まだプロではないけど、プロの舞台で一歩を踏み出せたかな」。淡々と振り返る姿は風格すら感じさせた。1375人の観衆は、才能の証人となった。