J2熊本「復興支援マッチ」で快勝 熊本地震から1年 巻「熊本県民の勝利」
「明治安田生命J2、熊本2-0松本」(16日、えがお健康スタジアム)
熊本がホームで快勝し、熊本地震の本震から1年となった日の「復興支援マッチ」を白星で飾った。苦難の道のりを共に歩んできた熊本県民の前での感慨深い1勝。開幕戦以来7試合ぶりの勝利で勝ち点を8に伸ばし、17位に浮上した。
万感の思いで踊った。開幕戦以来となるカモンロッソ。本震から1年となる「復興記念マッチ」で1万3000人超の熊本サポーターと歓喜を分かち合った。「特別な試合で、多くのサポーターが足を運んでくださり、僕らの足を動かしてくれた。僕らだけでなく、熊本県民の勝利」。熊本出身の巻は声を震わせた。
必勝を誓い、魂をぶつけた。前半7分。シュートのこぼれ球が移籍後初先発となったグスタボの足元へ。冷静にDFを交わし、左足でネットを揺らした。後半36分には上里がFKを直接たたき込み、勝負を決めた。
地震から1年。支援活動を続ける巻は「長いようで、あっという間だった」と振り返る。地震直後は選手も避難生活を強いられ、支援物資の集積所となった本拠地は補修の必要もあって約3カ月間使えなかった。今月9日の女子日本代表-コスタリカ戦に続き、Jリーグ公式戦でもこの日からバックスタンドが開放された。
目標はJ1昇格。現状の17位に誰も納得はしていない。清川監督は「無失点に抑えたことで、この先の試合につながる」と前を向けば、巻も続いた。「1試合で立ち止まったら意味がない。何度でも見せて、何度でもみんなに笑顔で帰ってもらいたい」。心を通い合わせたサポーターとともにロアッソは戦い続ける。