FC東京 15歳久保がトップ合流、J1戦士たちの目にはどう映った
サッカー・スペイン1部の強豪・バルセロナの下部組織出身のU-20代表FW久保建英(FC東京U-18)が28日、都内の小平グラウンドでルヴァン杯・札幌戦(5月3日・味スタ)に向けてトップチームの練習に合流した。将来を嘱望され、飛び級でU-20W杯(韓国・5月20日開幕)メンバーに選ばれることも予想される15歳。トップチーム合流は、J1戦士たちの目にどう映ったのか。
これまで、J3戦出場に向けた調整や、ユースチームの遠征日程の兼ね合いから、コンディション調整を目的としてトップチームの練習に参加した経験を持つ久保だが、J1カテゴリーでの試合に向けた練習を行うトップ合流は初。シュート練習ではヘディングシュートも決め、30日のリーグ・広島戦(味スタ)に向けたゲーム形式の戦術練習では、サブ組のFWとして参加した。
チームを率いる篠田監督は「これまで何回も会っているけど(相変わらず)建英だなと。サッカーになれば物おじもないし、サッカーに対して聞く耳を持ちながらも色んなことを取り組んでいる選手」と評した。
チームが連戦中ということもあり、この日の練習も負荷・強度の高さよりも、戦術浸透がテーマだった。そのため、久保にとっては非凡な才能を余すことなく発揮したとは言いがたい状況だったが、MF高萩洋次郎は「すごい良い選手だなと。パス一つにしても意識をしている。(出すのは)相手の右足なのか、左足なのか。スペースなのか、足元なのか。僕には意識してプレーしているように見えて、色んな意味で気を遣える選手」と印象を語った。
“バルセロナの下部組織出身”、“日本のメッシ”-。そんな呼ばれ方をする15歳の久保にかかる期待は大きい。特に卓越した技術の高さを評価する声が多く、その一方で15歳という年齢からフィジカル面の未成熟さが短所として捉えられている部分もある。ただ、そんな中で、ロンドン五輪の日本代表で背番号10を背負ったMF東慶悟はこんな視点で久保を見ていたという。
「高校1年生でしょ、考えられない。自分は(中学時代は)部活出身で野球部とグラウンドを半分ずつで使う環境でやっていて、そこから高校(大分ユース)に進んだ。それが(久保は)こうして普通にメニューをこなしている。それだけでも能力が高いと思う」。
高萩と東は共にルーキー時からトップチーム出場を果たしている。フィジカル面では大きな見劣りがなかった2人だったとしても、高校生としてトップの試合に出ることの難しさは深く理解をしていることだろう。
昨年、中学3年時にJ3デビューを果たした久保だが、今季のJ3戦では初得点だけではなく、既に90分間のフル出場もこなしている。出場可能性のあるルヴァン杯・札幌戦でも、久保の出場は途中からが現実的だが、誰もが認める技術の高さに隠れがちだったフィジカル面もまた、確実に成長をしている。