磐田-柏のPK取消は妥当「勇気のいること」 上川副委員長が見解 大谷には感謝
Jリーグ、ルヴァン杯で実際に起きた判定についての説明や報道陣との意見交換を行うレフェリーブリーフィングが1日、都内のJFAハウスで行われた。5月20日、J1第12節の磐田-柏(ヤマハスタジアム)で一度、柏に認められたPKが取り消され、ドロップボールで再開された判定について上川徹JFA審判委員会副委員長が説明した。正確な判定に変更したとして評価した上で、柏の主将・MF大谷秀和が柏の選手を引き下がらせたことに感謝した。
この試合の後半に、柏の武富がエリア内でGKカミンスキーに倒されたとして、一度は福島孝一郎主審がPKの笛を吹いた。しかし、自らの判定に疑問を持ち副審に確認。カミンスキーがボールに正当にチェックにいった後で2人が接触したことが確認され、PKは取消。試合はドロップボールで再開された。
上川副委員長は、判断を変えたこと自体は「ミスを認めて、副審の情報を元に勇気のいることだと思います」と評価しつつも、以下の点で改善点があるとした。
・福島主審のポジションがやや遠い。
・副審と意見交換するのが遅く、磐田の抗議を聞いて判定を変更したように見える。
・副審は旗を上げて主審に情報を伝えるべきだった。
競技規則上は、次のプレーにあたるPKが開始されていないため、問題ない判定だった。
また、柏の大谷が、福島主審に詰め寄るチームメートを下がらせ、主審の判定を尊重し、試合再開に協力的な態度を示した。上川副委員長は「とてもリスペクトある対応。チームのリーダーとしてとってくれた行動に感謝したい」と敬意を表した。
JFAの審判委員会は、実際の判定について情報開示し、議論・解説することで、レフェリングの向上を目指している。