“セルビアの闘将”ヴァシリェヴィッチ、ガッツで徳島J1復帰導く
J2徳島ヴォルティスに今季新加入したセルビア出身のDFヴァシリェヴィッチ(25)。191センチの長身で空中戦に強く、闘志あふれるプレーが魅力の大型ディフェンダーだ。日本の気候やJリーグのサッカースタイルにも素早く適応し、持ち前のハードワークでチームの勝利に貢献している。
抜群の存在感だ。191センチの長身に加え、闘志満々の守備がピッチで際立つ。ちょっと覚えにくい「ヴァシリェヴィッチ」の名は、その熱いプレースタイルとともにすっかり徳島サポーターに知れ渡った。
「球際に強く、1対1で負けない。ガツガツ行くのが自分の持ち味なんだ」
17歳でプロデビュー後、母国・セルビアとルーマニアのクラブでプレーしたヴァシリェヴィッチ。昨年末に徳島からオファーが届き「日本はいい国で、質の高いサッカーをしていると知人から聞いた。迷いはなかった」と遠い異国への移籍を決断した。
欧州とは文化もサッカースタイルも異なる日本。特に気候の違いには戸惑い、「日本は暑いだけでなく、湿度が高い。たくさん汗をかくし、呼吸するのが難しく感じることもあった。最初は正直、キツかった」と振り返る。
それでも持ち前の明るさとガッツで素早く順応。「もう慣れたよ」と体力面に不安はない。「毎日、新しい日本語を覚えること」を自らに課し、ピッチ上のコミュニケーションにも困ることはなくなった。
もちろんストレスがたまることはある。そんなときはオフを利用して、同じセルビア出身のFWアシチェリッチとブラジル出身のMFカルリーニョスらと一緒にボウリングに行くという。
「僕は最高で170くらいかな。カルリーニョスは200を超える腕前だよ」
スペイン出身のリカルド・ロドリゲス監督が就任した今季の徳島。ポゼッション重視の攻撃的サッカーで開幕から好スタートを切ったが、なかなか勝ち切れない時期もあった。第19節を終え、現在8勝6分け5敗で10位のポジションにいる。
目標のJ1復帰に向けて正念場と言えるかもしれない。ここからは過酷な真夏の戦いだ。「徳島はJ2の中でもいいサッカーをしている。思うように点が入らない試合が重なったけど、内容は良かった。しっかり準備をして、ハードワークを続けることが大事」。“セルビアの闘将”は力強く意気込みを口にした。