長谷部の願い 俊輔、中澤らの名を挙げ「そういう存在になっていればいいな」
「W杯アジア最終予選、日本-オーストラリア」(31日、埼玉スタジアム2002)
サッカー日本代表のMF長谷部誠(33)=E・フランクフルト=が30日、勝てばW杯出場が決まる一戦を前に、日本代表を支えたレジェンドたちの名を挙げながら、果たすべき役割をかみしめた。3月22日に右膝の手術を受け、この試合に向けてリハビリを重ねてきたことも振り返った。
代表戦を離脱し、何とかW杯を決める試合に戻ってきた。膝の状態は「問題ないですね。プレーしている最中も気にすることなくできていますけどね」と話す。自分がいなかった代表チームを見て、「ピッチの中だけでなく、外でも個人的にはできることが多くあると思います」とも感じたという。
長谷部が代表に初招集されたのは06年。その時から、数多くの先輩のサポートを受けてきた。
「自分が若い時にも先輩たちがいるだけで、存在に安心感を覚えたことはあります。そういう存在になっていればいいなと。なろうと思ってなれるものではないので。なっていればいいなというのはあります。やることは大きいと思いますけど、多くのものを個人的に背負ってやりたいなというのはありますね」
例えば、と聞かれて出て来た名前は「中澤佑二さん、楢さん(楢崎正剛)、俊さん(中村俊輔)、(川口)能活さん」。もちろん、これが全員ではないのだろう。「僕が若い時に(代表に)入った時に、ああいう方々がいた時は自分は思いきりプレーするだけだったんで」とあらためて感謝した。
今回、ギリギリのタイミングで代表復帰にこぎつけた。「自分の頭の中には8月31日に合わすというのがずっとありました。ただ、焦ってぶり返しても良くないというのもありましたし…。リハビリの過程の中でうまくいかない時期もラストスパートの中であった」と葛藤を乗り越えてこの日を迎える。「個人的には、今、本当にいい状態でピッチに立てそうなので、それは本当に良かったですけど。さまざまなことを考えながら、試合に対しての思いも強いです」と、自身3度目となるW杯切符をつかみ取る。