リオ世代の台頭がロシアへの推進力に…豪州戦では6人が代表入り

 サッカー日本代表がW杯ロシア大会の出場権を獲得した。オーストラリア戦でロシア行きを決める2つのゴールを挙げたのはFW浅野拓磨(22)=シュツットガルト=とMF井手口陽介(21)=G大阪=だった。2人は昨夏に行われたリオデジャネイロ五輪世代。世代交代の波がハリルジャパンをロシアへと導く推進力となった。6大会連続6回目の本大会出場を決めた日本代表の足跡を追う。

 世代交代を鮮明に印象づけた。浅野、井手口というリオ五輪世代のゴールで6大会連続のW杯出場を決めた一方、長く日本の中心を担ってきた本田、香川の二枚看板は最後までベンチを温め続けた。

 ロシアW杯へ第一歩を踏み出した15年6月16日の2次予選シンガポール戦。ベンチ入りメンバーも含めた23人に、リオ五輪世代は1人もいなかった。それから2年余り。オーストラリア戦では、ベンチ外も含めると6人が代表に名を連ねた。リオ世代の台頭が、ロシアへの旅路を完遂させる推進力となったことは間違いない。

 「若手を信頼して使うべき」と繰り返してきたハリルホジッチ監督は、最終予選初戦のUAE戦で代表デビューの大島僚太(川崎)を先発に起用するなど自身の言葉を実践してきた。加えて16年10月からリオ五輪代表を率いた手倉森監督が代表コーチに復帰。五輪代表監督時代から『リオ経由ロシア行き』を訴えてきた手倉森コーチは、リオ五輪世代に対して「(代表の)“お客さん”じゃない。中心としてやっていくくらいの気持ちでやってくれ」と、ことあるごとに語りかけた。

 最終予選2得点の久保は「言われることで意識するし、流れに乗っていきたい」と話し、同じく2得点の浅野も「W杯の時点でもっと僕たちの世代が入っていてもいいんじゃないか」と強い自負を示すようになるなど、リオ五輪世代にも自覚が芽生え始めた。

 一方でオーストラリア戦後、長友は新世代の台頭を認めつつも「(香川)真司や(本田)圭佑が出ていたら、もっと試合をコントロールして、いいサッカーができていたのではないか」と持論を展開。本田は「一番の収穫は僕や真司が出なくても勝てたということ。僕らは必要なくなるんじゃないかってことも当然言われる」と危機感をあらわにした。

 ロシアのピッチに立つ権利は、当然ながら誰にも約束されていない。容易な世代交代を許さず、高め合ったその先に、W杯ベスト8の偉業が輪郭を帯びてくる。

  ◇  ◇

 ◆現日本代表のリオ五輪世代 GK中村航輔(22、柏)、DF植田直通(22、鹿島)、DF三浦弦太(22、G大阪)、MF井手口陽介(21、G大阪)、FW久保裕也(23、ヘント)、FW浅野拓磨(22、シュツットガルト)

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