ハリルジャパン収穫一敗 柴崎&杉本のテスト起用できた「まだまだのびしろある」
「W杯アジア最終予選、サウジアラビア1-0日本」(5日、ジッダ)
既に6大会連続の本大会出場を決めていた日本はサウジアラビアに0-1で敗れた。快勝したオーストラリア戦から先発4人を入れ替えたバヒド・ハリルホジッチ監督(65)は敗戦にも「このチームにはまだまだ伸びしろがある」と前を向いた。日本代表は6日夜、羽田空港着便で帰国した。B組はサウジアラビアが2位となり3大会ぶり5度目の出場決定。A組は苦戦が続いていた韓国が2位で9大会連続10度目の本大会出場となった。A組3位のシリアとB組3位のオーストラリアは大陸間プレーオフ出場を懸けて10月に対戦する。
サウジアラビア戦はハリルホジッチ監督にとって待ち望んでいた“実験場”だったのかもしれない。前節に本大会への切符をつかんだ日本と違い、W杯出場を懸けて臨む相手はこれ以上ない本気モード。極めて強度の高い試合だからこそ、確認したいものがあった。
試合前日、指揮官はこう話していた。「W杯本大会に向けて大きく成長したければこれは大きなテストの場となる」。必勝を期したオーストラリア戦の先発から前線4人を入れ替えた。もちろんコンディション面を考慮した部分もあるが、「大迫がメンバーに入っていないのは、岡崎と杉本にチャンスを与えるため」と明言する。
最終ラインの顔ぶれを変えずに勝利を目指す一方で、指揮官自身が「長い間追跡していた」と話すFW杉本や、スペインに移籍したMF柴崎を起用。2次予選のシンガポール戦はドロー、最終予選のUAE戦は敗戦とともに初戦につまずき、テストする余裕が生まれなかったが、この最終戦で設けることができた。
西野技術委員長が「監督なりに試したいことはあり、それはプラン通りに使っていたと思う」と語れば、ハリル自身も「このチームにはまだまだ伸びしろある。W杯までまだまだ成長していきたい」と前を向く。残り9カ月。貴重な実験で得られたデータを基に、ロシアに向けた強化策を磨いていく。