四国IL高知・駒田監督、戦力外通告する立場の思い語る

 プロ野球では両リーグの優勝も決まり順位も決まった。これからポストシーズンのクライマックスシリーズ、日本シリーズへと盛り上がりをみせる。

 その一方で1日から戦力外通告がスタートした。第1次通告期間は1日からCS開幕前日の13日まで、第2次通告期間はCS全日程終了翌日から原則として日本シリーズ終了翌日までとなっている。各球団とも数人から育成選手を含めると10人を超える選手が戦力外通告を受ける。入団数年の選手や10年以上在籍した選手も含まれている。ユニホームを脱ぐ者、トライアウトに挑戦する者など厳しい選択を迫られる。

 先日、独立リーグ、四国ILp・高知の駒田徳広監督がブログを更新し、来季に向け秋季練習を開始した直後に「飯、奢ったって」と題して戦力外通告者についてつづっていた。「練習に参加していない選手がいます。引退、もしくは解雇になった選手達です。この選手達を解雇したのは僕です。技術、選手の家庭環境など、いろいろな事を考えて判断するのですが、辛いですね」と、監督として来季の戦力分析をしてチームを離れる選手を選別したことを記していた。

 巨人、横浜(DeNA)で活躍し名球会入りも果たしている一流選手だった駒田監督は現役時代、毎年戦力外通告を受けた選手を見てきた。それが今は戦力外の選手を選ぶ立場にいる。「辛いのは当然選手ですよね。選手が好きな監督は、自分を使ってくれる人。嫌いな監督は使ってくれない人。究極に嫌いな監督は首にする人です。だからこっちも辛い」と現在の立場で最もつらい時期を迎えている。

 選手時代のことについても触れていた。「1982年、プロ入り2年目のオフ、早くも解雇されてしまう選手がいました。当時の2軍監督の国松さんが、その選手と仲の良かった僕の所にきて『今日だけは門限を破ってもいいから愚痴を聞いてやってくれ』って。しかし、何の愚痴も言わず彼は実家の九州に帰って行った」。当時の国松2軍監督の優しさをつづった。

 シーズン中の行動について「我々独立リーグは地域に根付いて存続しているもの。僕は日頃から選手達を食事に連れて行って下さるファンの皆さんには感謝しています。しかし、シーズン中は甘えも出て愚痴を言う選手もいたかと思います。強くならなければいけない選手達にとって、その愚痴はあまり褒められるものではありません」と厳しい言葉を投げかけた。

 しかし、来季がない選手たちに投げかける言葉は違う。「ですが、今は違います。特に高知の皆さん。選手に飯、奢ってやって下さい。愚痴を聞いてやって下さい。彼等らはもうこの帽子を被る事もないのですから」。チーム帽子の写真を添付し、退団する選手の労をねぎらうことをお願いしていた。

 戦力外の選手を選別する立場、通告する立場、そして通告される立場とすべての人たちがつらい季節でもある。(「」内は原文まま)

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