「天皇杯・準々決勝、川崎０－１柏」（２５日、等々力陸上競技場）

　リーグ戦、ルヴァン杯と共に優勝の可能性を残していた川崎は、ホームで柏と対戦して０－１で敗れた。後半１６分に、柏ＦＷクリスティアーノに被弾。昨季準優勝クラブは８強止まりとなり、３冠の夢はついえた。

　川崎は、４日後のリーグ戦で再びする柏戦と、１１月４日のルヴァン杯・決勝をにらみ、直近の公式戦だった２１日のリーグ広島戦から、先発メンバー７人を変更。ケガ人が相次ぐシーズンも勝利を積み重ねてきた総力戦の態勢で勝利を目指した。だが、柏にボールを保持される時間帯が増えるなど、苦しい展開が続く。迎えた後半１６分には自陣右サイドのＣＫから、クリスティアーノに強烈なミドルを食らって失点。後半に入ってからはＦＷ小林、ＭＦ中村らを投入したが、最後まで追いつけなかった。

　試合後、鬼木監督は「１人１人は（良いプレーを）やろうとしてくれたが、それがチームとしての大きな力にならなかった」。週末には再び同じ対戦カードとなるが「全く別の大会。落ち込む必要はなく、気持ちのところでしっかりと切り替えていきたい」と気を引き締めた。

　一丸となって戦うことができなかったというのは、選手も同じ印象を抱いていた。ＤＦ奈良が「個人としてというより、グループとして力を見せられなかった」と語れば、中村も「イメージの共有がうまくいかなかった。メンバー変更の影響もあったかもしれないが、それでも今までは、それで勝ってきていた」と悔しさをあらわにした。

　今年の１月１日、鹿島との元日決戦に敗れてからリベンジを誓っていたが、天皇杯のタイトルはここで終戦となった。残るは首位・鹿島を勝ち点２差で追うリーグ戦と、Ｃ大阪を迎え撃つルヴァン杯。全力でタイトルをつかみに行く。