続投決定の徳島ロドリゲス監督 最終節の悲劇乗り越え「さらに強くなる」

 今季J2で7位に終わった徳島ヴォルティスのリカルド・ロドリゲス監督(43)の来季続投が決定した。19日の最終節・東京V戦に敗れ、あと一歩でJ1昇格プレーオフ(PO)進出は逃したものの、就任1年目でチームに攻撃的サッカーを植え付けたスペイン人指揮官。最終節の悲劇を乗り越え、「来年もJ1に昇格するために戦う」と力強く雪辱を誓った。

 悔しさに打ちひしがれる徳島サポーターにとって、朗報であったに違いない。あと一歩でJ1昇格PO進出を逃した最終節・東京V戦から一夜明けた20日、ロドリゲス監督の来季続投が発表された。就任1年目を終えたスペイン人指揮官は、クラブを通じてコメントを寄せた。

 「徳島ヴォルティスをより強くするために、来シーズンも監督として続投することになりました。来年もJ1に昇格するために戦っていきます」

 5位で迎えた19日のリーグ最終節。昇格を争う6位・東京Vとの直接対決に勝てばPOが確定、引き分けでも進出濃厚という有利な状況で敵地に乗り込んだ。

 前半31分に先制を許したが、後半4分にエースFW渡大生(24)が右クロスを右足で突き刺して同点ゴール。しかし試合終了目前の同43分、CKからのこぼれ球を押し込まれ、1-2で敗れた。

 一方、他会場では8位・千葉が後半ロスタイムの劇的弾で横浜FCに勝利。勝ち点1差で逆転された徳島は7位に転落し、4年ぶりJ1復帰への道が絶たれた。「サッカーは残酷なスポーツ」。試合後、ロドリゲス監督は悔しさを押し殺すように話した。

 チームに変革をもたらした1年間だった。17歳のときに左膝に大けがを負い、選手としての道を断念。大学でスポーツ科学の博士号を取得するなど猛勉強の末に指導者としてキャリアを積んだ知将は、Jリーグで初めて指揮する徳島で、独自の哲学をチームに植え付けた。

 攻撃に人数をかけ、高いボール保持率で攻撃するアグレッシブなスタイル。それを実現するために、選手間のポジショニングにこだわり、きめ細かく戦術を磨き上げた。指揮官の期待に応え、エースFW渡を筆頭にFW前川大河(21)、MF杉本太郎(21)ら若い攻撃陣が躍動。チームは今季、名古屋に次ぐリーグ2位の71得点を挙げた。「今年のヴォルティスは面白い」-。そんな声がサポーターから聞こえた。

 最終節の悲劇を乗り越え、徳島イレブンは再び前進を開始する。肩を落とす選手たちを鼓舞するように、ロドリゲス監督は力強く宣言した。「この攻撃的なスタイルを貫きながら、さらに強くなって戻ってきます」。2018年シーズンに向け、指揮官の頭脳は動き始めている。

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