川崎・小林 逆転!単独得点王 魂の初ハット 愛息の“予言”で年間23得点目
「明治安田生命J1、川崎5-0大宮」(2日、等々力陸上競技場)
川崎が初優勝を遂げ、クラブ史上初の主要タイトルを獲得した。最終節で主将のFW小林悠(30)が3ゴールを奪うなど大宮に5-0で完勝。磐田と0-0で引き分けた鹿島と勝ち点72で並び、得失点差で上回り、最大8差を逆転して悲願を達成した。J1で3度の2位のほか、ルヴァン・カップ(旧ヤマザキナビスコ・カップ)で4度、天皇杯全日本選手権で1度の準優勝という「シルバーコレクター」が初戴冠を果たした。
どこまでもドラマチックなシナリオだった。後半36分、MF阿部が得たPKをFW小林は真っ正面に蹴り込んだ。「今日、家を出る前に息子に『PKあったらどこに蹴ればいい?』って聞いたら『真ん中』って言っていたので」。これが年間23得点目。チームタイトルに加えて、単独での得点王も戴冠した。
さまざまなものに打ち勝ったシーズンだった。主将としての立場に悩み苦しみ、プレーの精細を欠いた時期もあった。だが「チームをまとめる人はたくさんいる。自分は得点で引っ張ればいいんだ」と吹っ切れた。負傷に泣くシーズンもあったが、プロ8年目にして初のリーグ全戦出場。ハットトリックも初達成だった。
昨オフには移籍も検討。だが「フロンターレでタイトルが取りたいと思いやってきた。残って良かった。クラブにかかわるすべての人にありがとうと言いたい」。充実感と達成感が心地よかった。