インターハイ王者の流通経大柏が4強入り 先制点のDF関川「王者のプライド」
「全国高校サッカー選手権・準々決勝、流通経大柏3-0長崎総合科学大付」(5日、浦和駒場スタジアム)
夏のインターハイ王者である流通経大柏(千葉)が、長崎総合科学大付(長崎)を3-0で下して4強入り。夏冬の2冠が見えてきた。
盤石の戦いぶりだった。流通経大柏を率いる本田裕一郎監督が「前半をゼロに抑えること。とにかく失点しないように。後半勝負だとは昨日から話していた」と振り返るように、ここまで無失点の堅守が光って長崎総合科学大付の攻撃を封殺。迎えた後半4分には、ロングスローのこぼれ球からU-17代表にも選出されたDF関川郁万(2年)が決めて先制に成功。その後も2点を加点して、粘る相手を突き放した。
勝利の立役者となった関川は「1人で守って、点も取るというのは自分が目指している選手像。準決勝も無失点で終わりたいし、(インターハイ)王者のプライドを持ってやっていきたい」と力強く語った。
敗れた長崎総合科学大付は、J1C大阪入りが内定しているエースFW安藤瑞季(3年)が累積警告のため出場停止。仲間を信じてスタンドから声援を送った安藤は「みんな泣いていて『ごめんな』と言われたが、オレの方からは『お疲れさま』としか言えなかった。悔しいけど、あいつらの前では涙を見せないと決めていた。みんな、気持ちの入ったプレーを見せてくれた。高校サッカーの3年間に悔いはないです」と言葉を絞り出した。
国見高時代には、戦後最多となる6度の選手権制覇経験を持つ長崎総合科学大付の小嶺忠敏監督は「やっぱり力不足でした。(流通経大柏は)やはり個の能力が高い。それは否めない。ただ、その差をどう埋めるかというところで(自分の)力不足です」と話した。