前橋育英・田部井兄弟が初Vへ導く 大黒柱の弟・涼が復調「やってきたこと出す」
「全国高校サッカー選手権・決勝、流通経大柏-前橋育英」(8日、埼玉スタジアム2002)
2007年度大会以来、2度目の優勝を目指す流通経大柏(千葉)と、悲願の初優勝に挑む前橋育英(群馬)の決勝が8日、埼玉スタジアムで行われる。両校は7日、それぞれ最終調整。
満を持して、大黒柱が帰ってくる。前橋育英はさいたま市内で練習。3回戦で右膝を負傷して2試合欠場したMF田部井涼主将(3年)はCKを蹴り、ミニゲームでゴールを決めて、復調をアピールした。
「蹴るのも大丈夫だった。決勝は楽しみ。1年間やってきたことを出したい」
雪辱を期す舞台だ。昨年は決勝で青森山田に0-5で敗れた。「忘れたことがない」という大敗がこの1年のスタートライン。同じ舞台で勝つことで集大成とする思いだ。
父・普さん(46)は89年に前橋商の選手として4強入りした。父の果たせなかった日本一を双子の兄・悠(3年)とともに目指す。右利きの悠、左利きの涼。ともにプレスキッカーを務める。「富山第一戦、上田西戦で悠がセットプレーから決めていた。正直悔しかった」と涼は言う。
間に合った決勝の舞台。高校総体準決勝で敗れた相手との再戦。「流経大柏は球際の強さは日本一。でも僕らも決勝で勝つことを目標にやってきた。セットプレーがチャンスになる」。あれから1年。今度は笑う。