C大阪初V!川崎返り討ちで今季まず1冠 3000万ゲット
「富士ゼロックス・スーパーカップ、C大阪3-2川崎」(10日、埼玉スタジアム2002)
天皇杯を制したC大阪が昨季J1覇者の川崎を3-2で下し、初優勝を飾った。前半26分に主将のMF山口蛍(27)が先制点を奪い、後半3分にMF清武弘嗣(28)が追加点。1点差に迫られた後半33分には、今季から加入したFW高木俊幸(26)の移籍初ゴールで突き放した。賞金はC大阪が3千万円、川崎が2千万円。今季は最大6冠を狙えるC大阪が、今季初の公式戦で幸先良く1冠を手にした。
よどみなく、流れるようなボール回しから、今季最初のゴールが生まれた。前半26分。左サイドのスローインを受けた清武を起点に10本のパスをつないで右サイドを崩すと、最後は走り込んだ山口が右足で流し込んだ。
今季3年ぶりに主将に就任した山口が「非常にいい崩しだった」と胸を張れば、清武も「正直、理想的なゴール」と口をそろえた。さらに後半3分には杉本が競り勝ったボールに、山口から背番号10を譲り受けた清武が抜け出し、冷静に右足で追加点を決めた。
昨季のルヴァン杯決勝の再現となった今季初の公式戦。新旧10番のそろい踏みで川崎を返り討ちにした。尹晶煥監督は「出発点としては悪くなかった」と控えめだったが、1点差というスコア以上に内容で昨季J1王者を圧倒。08年の広島以来10年ぶりにJ王者を下し「自分たちのやりたいことができた」と、山口は実感を込めた。
完勝の要因を、清武は前線からの激しい守備に求めた。「(柿谷)曜一朗と(杉本)健勇があれだけ守備をしてくれたので今日は疲れなかったし、チームとしてコンパクトにやれた」と、2トップの献身に頭を下げた。
11日にはアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)初戦のアウェー済州戦(14日)へ出発する。前回出場した14年にはJ2降格の憂き目に遭ったように、連戦や移動による消耗との戦いが待ち受けるが、途中出場した新戦力の高木、ヤン・ドンヒョンが結果を出したことは明るい材料だ。「今年はすごくいいチームになってきている」と清武は手応えを語る。昨季2冠を制したC大阪の強さを際立たせた90分間となった。