G大阪FW中村敬斗プロ初ゴール 東京五輪世代17歳が50Mドリブル独走
「ルヴァン杯・1次リーグ、浦和1-4G大阪」(14日、埼玉スタジアム)
G大阪は敵地で浦和と対戦して4-1で勝利した。昨年9月3日のルヴァン杯・神戸戦の勝利を最後に、公式戦17戦未勝利が続いていたが、約半年ぶりとなる白星。また、東京五輪世代でもある17歳のFW中村敬斗が途中出場で、プロ初得点を決めた。
ピッチを疾走した。3-1で迎えた後半42分、中村は自陣でボールを受けると同時に、鋭いターンで日本代表DF槙野を置き去りにした。「守備で苦しい状態だったが、体が自然に動きました」。50メートル以上をドリブルで独走すると、ペナルティーエリア内に侵入。右足を振り抜き、同じく代表GK西川が守っていたニアサイドをぶち抜いた。
「3-0から1点取られて、少し流れが悪くなったので、あの1点は大きかったかな」。昨年9月から公式戦17戦未勝利だったチームの、半年ぶりとなる勝利を決定づけた。
成長を実感する一撃となった。開幕前の沖縄キャンプ中、浦和との練習試合に出場。「槙野選手とマッチアップしたが、何もできなかった。それこそ前すら向かせてもらえなかった。これがA代表の選手なんだと思って、それからはそこを基準にしてやってきた。もちろん、試合は終盤で自分は途中出場でしたけど、(ターンでかわした)槙野選手、(ゴール前で寄せてきた)阿部選手、(相手GKの)西川選手…。やっぱり最高っすね」と代表クラスの相手をかいくぐって決めたプロ初ゴールの余韻に浸った。
同世代の選手と刺激をし合っている。FC東京の16歳FW久保は「一つ下の学年ですけど、向こうはプロで先に出ているし、連絡は取り合っています」という。くしくもこの日、久保もトップチーム初ゴール。「そろそろ決めてくるなとは思っていて。今日もアイツよりも先に決めたと思ったんですけど…。向こうは1-0の決勝点ですからね」と苦笑いを浮かべる。それでも、インパクト十分の初ゴールに視察したU-21代表の森保監督も「相手は槙野選手だったし、(ドリブルも)50メートルぐらいだった。良かったですね」と評価した。
「プロに入っての初勝利と、自分のプロ初ゴールが重なって最高。今日は良い形で勝てたので、ここから勝利をどんどん積み重ねていきたい」。きらりと光る才能を見せた17歳は、屈託のない笑顔で先を見据えていた。