川崎・斎藤197日ぶり公式戦 古巣のブーイングに「愛情の裏返しという声もある」

 「明治安田生命J1、横浜M1-1川崎」(8日、日産スタジアム)

 昨季王者の川崎は、敵地で横浜Mと対戦して1-1で引き分けた。

 後半13分、MF阿部の右クロスをMF家長が左足で合わせて先制したが、同16分に横浜MのDF中沢にCKからヘディング弾を許し、勝ち点1を分け合った。また今季から川崎に加入したMF斎藤が、後半32分から今季初出場。斎藤にとっては、右膝前十字じん帯を損傷した横浜M時代の昨年9月23日の甲府戦以来、197日ぶりとなる公式戦出場となった。

 J屈指のドリブラーが、完全復活に向けた第一歩を刻んだ。1-1で迎えた後半32分、MF斎藤がピッチ脇に立つと、会場からは地鳴りの様なブーイング。横浜Mの下部組織で育った男は、昨季まで所属していた古巣サポーターから手荒い“歓迎”を受けた。ピッチに入っても、ボールを持つ度にブーイングが響く。斎藤は「愛情の裏返しという声もあるし、そうではない声もある」としながらも「ボールを持った時には気にならなかった」とプレーに集中していたという。

 待ちわびていた復帰戦だった。くしくも、かつての本拠地が復帰戦の場所となったが「この試合に合わせて(リハビリを)やってきたわけではないが、少しでも早く(復帰したい)と思ってやってきた」。だからこそ何よりも感じたのは「自分がどれだけサッカーを楽しんでいるか、自分にとって大きいものなのかが感じられた」。対峙(たいじ)した相手DFからは「にやけすぎじゃないか」とのツッコミが入るほど、実戦のピッチは斎藤にとって待ち望んでいた場所だった。

 15分間のプレー時間では、長い距離のドリブルなど持ち味を発揮。終了間際には、あわや勝ち越し弾かというシュートも放った。だが、それでも斎藤は「自分が(試合に)出ている意味というのは、結果を残すことなので、悔しさの方が大きい」とドロー決着を悔やむ。その上で「競争に勝たないと試合には出られない。出た時には結果を残したい」と決意を新たにした。

 試合後には、小学校時代からの盟友でもある横浜MのDF金井とユニホームを交換。横浜Mサポーターにも頭を下げた。川崎の鬼木監督は「もちろん今日も悪くはなかったが、まだまだできると思っている」と期待をかける。慎重に、だが着実に完全復活への歩みを進めていく。

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