日本サッカー協会の田嶋幸三会長（６０）が９日、都内のＪＦＡハウスで会見を開き、日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督の４月７日付けでの解任を正式に発表した。後任には西野朗技術委員長が就任する。会見では田嶋会長には協会として、会長としての責任についての質問も出たが、「そのまま放置してやることで私の責任がなくなるか、そうではないと思います」と、代表チームが看過できない事態に陥っていたと語った。

　ハリルホジッチ監督の解任した理由の一つに「選手とのコミュニケーションや信頼関係が多少薄れてきたこと」を挙げた。３月のベルギー遠征で生じた選手からの戸惑いの声や、こまかな要素を「総合的に判断した」と明かした。

　Ｗ杯本大会まで約２カ月しかないが、会長は「２カ月前にもかかわらず、こういう選択をしなければならないのは、勝つ確率を数パーセントでも上げていきたいということです」とリスクを覚悟の上での結論だと強調した。

　これまでチームがうまくいかない時期にも、会長以下、西野技術委員長らはハリルホジッチ体制をサポートしていく意向を示していたが、「ハリルホジッチ監督をサポートし、選手たちもみんなが努力してきた。そのバランスが崩れてしまった。状況、状況で決断を変えていかざるを得ない。ここへ来て状況が変わったということです」とした上で、「変えないでおいて突破できないケースをむざむざ見ているわけにはいかなかったということです」と許容できる範囲を超えてしまったことをうかがわせた。