【ハリル氏解任会見2】苦渋の決断「必ず良くなる魔法あるのなら…」
日本サッカー協会の田嶋幸三会長(60)が9日、都内のJFAハウスで会見を開き、日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督の解任を正式に発表した。劇薬とも、荒療治とも言えるロシアW杯本大会まで2カ月というタイミングでの監督交代となったことに、「替えれば必ず良くなる魔法があるのなら、その方法をとるかもしれません」と逆説的に苦渋に苦渋を重ねて決断したと明かした。以下、一問一答の要旨その2。
-このタイミングでの交代はデメリットが多い。
「その通りです。このタイミングだからこそ西野監督になったのだと思います。もっと前であれば西野監督でなかったかもしれません。残り2カ月しかないことを考えると、この時期だからこそこの状況でこの決断をした。そのぐらいの状況になっていたと決断しました」
-ヨーロッパ遠征の前など、早いタイミングでのジャッジはできたのでは。
「監督を替えることのリスクがあります。それと、替えないリスクがあります。常に比べながら議論してきました。替えれば必ず良くなる魔法があるのならその方法をとるかもしれません。でもわれわれはリスクを考えながら、さまざまな観点から議論してきました。そのたびそのたびにです。(中略)タイミングとしては遅いんじゃないかと言われるのはありますが、最後までハリルホジッチ監督のチームがぐっと固まるものにしたいと3月もわれわれは努力したが、残念ながらできなかった」
-西野新監督はどういったサッカーを構築すべきか。
「これまでやってきたサッカーを全否定するつもりはありません。やりたいことをやりたいスタッフで全面的にサポートしていきます。そして、われわれが築き上げてきたスカウティングだったり、コレクティブに戦う日本の選手たちの能力だったりを出していける日本らしいサッカーをやってほしいと思っています」
-後任監督が西野氏になったことについて、他に候補はいたのか。
「西野監督、手倉森監督とか、内部から(の就任)になってくると考えていました。それまでのところで(候補が)いなかったのかというと、もちろんそういうことは考えないといけないとは考えていました。ですが今、名前を出すべきではないと思っています」
-ハリルホジッチ監督は最終準備のエキスパートだと言われていた。
「最終的にいいチームにするところで言うと、チームが一緒になって、お互い信頼し合い、コミュニケーションをとってやれるからこそ、そのことができると思いました。それができないと思ったからこそ、この結論に達したということです。ベースはそこだと僕は考えています。緊急事態だということで西野さんにお願いしたわけです」
(続けて)「3週間が短いか長いかは分かりません。逆に言うと短いからこそみんなが集中できる。早くからやっていたら摩擦やさまざまなものが出るかもしれない。短いからこそ西野さんにお願いしたのはあります。得手不得手はあるかもしれませんが、もう、そんなことは言っていられない。残り2カ月、実質集まれるのが3週間。そこで、やれることをすべてみんなでやるというのを考えて、このスタッフになりました。具体的なスタッフについては木曜日(12日)に話をさせていただきます」