【ハリル氏解任会見4】田嶋会長、選手からも聞き取り「うのみ」は否定
日本サッカー協会の田嶋幸三会長(60)が9日、都内のJFAハウスで会見を開き、日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督の解任を正式に発表した。ハリルホジッチ監督と選手たちの関係を見定めるため、田嶋会長は何人かの選手に聞き取りを行ったことも認めたが、「うのみにするわけではなく、全体のことを考えながら」判断材料にしたと語った。以下、一問一答の要旨その4。
-監督と協会の間に摩擦は。
「協会との摩擦は、僕はあったとは思っていません。ハリルホジッチ監督は、合宿が終わると会長室に来て話をしてくれましたし。ただ、私はサッカーをやっていた身ですから、サッカーに対する考え方はありますが、サッカーについてはあくまで技術委員長であったりコーチ陣が話をすべきことだと思っています。基本的な摩擦があったということではありません。選手やスタッフとの摩擦は少なからずあることだと思っていますが、それについては把握しつつも、それを超してしまったということでこの決断に至ったということです。協会との摩擦はあったとは思っていません」
-選手から聞き取りをしたのか。
「コミュニケーション、信頼関係がなくなるというのは一つの象徴的なところであって、いくつか細かいところを挙げるのは可能だと思います。でも、そのところが引き金になったのは間違いありません。この件だけではなく、スタッフやそういう人たちから話を聞いています。誰とは言いませんが、直接選手から話を聞いたこともあります。でもそれをうのみにするわけではなく、全体のことを考えながら話を聞き、改善すべく動いてきました。その結果、最終的なこういう結論を出さざるを得ないところにマリ戦、ウクライナ戦でなったというところです」
-この時点で監督を変えて成功した事例がほとんどない。
「われわれが初戦でUAEに負けた時に、初戦に負けたチームは予選を突破できないと言われました。皆さんから。それと同じように、今、この時点でもしも替えて…もちろん替えたからすぐ(本大会の1次リーグを)突破できるわけではない。替えないで突破できないケースを僕はむざむざ見ているわけにはいかなかった。少しでも勝つ可能性を追い求めた結果としてこの結論に至ったということです」
-監督と選手をつなぐのが技術委員長だった西野氏の役割ではないか。その人物が監督になるのは不自然ではないか。
「皆さんは一部の選手からコミュニケーションのことを聞いて、そうおっしゃっているのだと思います。一部の選手からそういう意見が出てくることもわれわれは把握していますし、全体のところでどうだったのかを把握しながら、年末には東アジアE-1選手権、韓国戦で大敗した後、議論をし、多くの情報を得ました。どうするかということを本当に考え、替えるリスクと、じゃあ誰がやったら本当にいいんだってことを議論した結果、継続という選択をしました」
(続けて)「その中で西野さんはハリルホジッチさんを最後までサポートしました。ロイヤルティーがあるからこそ監督になったわけで。チーム内で足を引っ張ったりするのがあるわけではなく、代表チームをサポートすることに徹してくれていた。結果の上ではこういう結論になってしまったけど、サポートすることを最後までやってくれたからこそ、私は西野さんを選んだということです」