このタイミングで監督交代必要か 協会の解任理由に疑問符

 日本サッカー協会は9日、都内で会見し、日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督(65)を解任し、後任に、96年アトランタ五輪代表を率い、ブラジルを撃破する“マイアミの奇跡”を演出した西野朗技術委員長(63)が就任したと発表した。W杯の出場権獲得後に代表監督を解任したのは日本サッカー史上初めて。西野新監督は12日に就任会見に臨む。

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 本当に、このタイミングでの監督交代を決断する必要があったのだろうか。田嶋会長は、3月のベルギー遠征で日本代表が示した低調なパフォーマンスではなく、監督と選手のコミュニケーションおよび信頼関係が低下していたことを解任の第一の理由に挙げた。

 確かに選手と監督の円滑なコミュニケーションや信頼は、チームにおける重要な要素だろう。だが、4年に一度の大舞台で結果を出すための“必須要素”ではないと考える。本当に必要なのは、勝つための緻密な戦術とその遂行能力だ。

 そもそも、ハリルホジッチ監督は就任当初から、選手たちと戦術を共同で練り上げていく手法ではなく、自らのスタイルを明確に打ち出し、その実践を要求し続けた指揮官だ。W杯イヤーに入ってから顕在化したのではなく、2016年9月にスタートしたアジア最終予選の期間からも、選手との温度差は事実としてあった。

 解任には、代表選手たちへの聞き取りもその一因になったという。その上で、ハリルホジッチ監督のやり方が日本には合わないと断ずるならば、もっと早くに解任を決めても良かった。もしくは、覚悟を決めて本大会で選手たちに奮起を促すようなかじ取りこそ、日本協会に求められていたのではないだろうか。

 電撃解任という激動の末に待ち受けるのが、悲劇ではなく感激となることを祈りたい。(デイリースポーツ・松落大樹)

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