「アキラジャパン」W杯まで2カ月“マイアミの奇跡”をロシアでも!
日本サッカー協会は9日、都内で会見し、日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督(65)を解任し、後任に、96年アトランタ五輪代表を率い、ブラジルを撃破する“マイアミの奇跡”を演出した西野朗技術委員長(63)が就任したと発表した。W杯の出場権獲得後に代表監督を解任したのは日本サッカー史上初めて。W杯ロシア大会(6月14日開幕)まで約2カ月という異例のタイミングでの電撃解任を断行した理由について、田嶋幸三会長(60)は選手との摩擦などを挙げた。西野新監督は12日に就任会見に臨む。
日本サッカー史上、例を見ない緊急事態でタクトを振ることになった。西野新監督は日本サッカー協会を通じて「自分の立場だけを考えるのではなく、現状況を打破することが第一義だと判断し、日本代表の指揮を執ることにした」とコメントした。
監督就任の打診をされたのは、4月に入ってすぐだった。技術委員長として「本来ならば代表監督をサポートしていくポジションであり、責任を感じている」とコメントしたように、即答はできなかった。それでも「慎重な方なので、いろんなことを考えた上で結論を出してくれた」(田嶋会長)と、最終的に就任を決断したという。
2カ月後に迫ったW杯に向け、戦術の再整備やメンバー選定など取り組むべき課題は多い。新指揮官は現在、コーチングスタッフを組閣中だが、関係者によると、ハリルホジッチ体制でもチームを支えていた手倉森コーチ、早川フィジカルコーチ、浜野GKコーチに加え、東京五輪に出場するU-21代表の森保監督にもコーチ就任を要請しているという。
このタイミングでの内部昇格に、不安がないわけではない。それでも、田嶋会長は「(W杯アジア最終予選)初戦のUAE戦(16年9月1日)に負けた時、『初戦に負けたチームは突破できない』と言われた。もちろん、変えたからすぐに突破できるわけではないが、少しでも、1%でも2%でも勝つ可能性を追い求めたい」と、すがるように期待をかけた。
契約期間はW杯ロシア大会までと、まさに緊急人事だ。それでも、協会を通じて発表したコメントでは「W杯に向けて、サッカー界の力を結集していけるように、全身全霊で取り組んでいく」と100%宣言。『アキラジャパン』の戦いが始まる。