【西野監督会見2】ハリル氏の要求「非常に高い基準で求めていると感じた」
日本サッカー協会が12日、都内のJFAハウスで西野朗日本代表監督の就任会見を開いた。バヒド・ハリルホジッチ前監督が選手に強く求めていた「縦に早いサッカー」、「デュエル」が、現時点の日本には「非常に高い基準」だったと認め、今後はそのギャップを埋める作業が必要になると語った。以下、一問一答の要旨【その2】。
-技術委員長として、今回のハリルホジッチ前監督の解任にはコミュニケーション、信頼関係の不足というものがあった。
「世界と戦うには、W杯で戦うには、こういうプレーをしなければいけない、こういう戦い方をしなければいけないということを強く選手に要求しています。これは当然のことですし、選手一人一人の役割も厳しく要求しています。それは指導者として当然のことですし、全体として形になっていくことがチームを向上させていく。それは間違いなく必要なことですし、(選手は)要求に応えてプレーしようとする」
(続けて)「ただ、監督は非常に高い基準で選手に求めていると感じました。監督の意図と選手たちのやらなければいけないプレー、やりたいプレーのギャップを合わせていかなければいけないのがチームとしてありますし、その上でのやりとりになります。(中略)その辺のギャップがなかなか埋められない。選手たちが追いつこうとしても、なかなか要求に応えられないということは感じました」
(続けて)「まだまだ選手たちもそういうことに応えられる力はあると思いましたし、それだけに監督ももっと高い要求があったのかもしれないですけど、現状をチームとしてバランスよく機能していたかというと、その辺のわずかな差があったのではないかと思います」
(続けて)「結果は彼らのパフォーマンス、プレーがそのまま素直に出ていくことがあれば、間違いなく、いい形で日本のチームは融合して結束してプラスαの力が出ていくと思いますし、とにかく結果は求めたい。少なくとも予選を突破する力を見せたいと思います(中略)」
-田嶋会長から打診を受けた時の心境は。決断するに至るまでの考えの変遷は。
「先月末に、会長からは今回の打診をいただきました。その時は、正直、私自身も間違いなくハリルホジッチ監督を支えていきたい、サポートしていきたいという今まで通りの気持ちでいっぱいでしたし、ただ一方でチーム状況のギャップの中で、あまりいい状況でなかった編成を踏まえて、自分の中では少しこれから2カ月でどう、劇的に変えていくのかというところを(技術委員長として)考えていたところなので、今回の決断に対して、自分が要求されたということで、非常に戸惑いはもちろんありました」
(続けて)「技術委員長としての立場は精いっぱいやってきたつもりですけど、足りなかった部分を強く感じていますし、監督同様ということになってもと思っていました。そういう英断の中でこういう決断をしていもらって。最後、自分の中で責任をこの大会の中で、(という思いを)持つまでは、この要請に関しては戸惑いを持って受け止めました。ただ、この事態なので、最後は自分が、と思って引き受けさせてもらいました」
-選手には残り2カ月でどういったことを求めるか。
「信頼をして、日本代表チームのパフォーマンスを生むための選手と思っていますし、そういう選手に対しては、あまり個人のプレーに関しては制限をかけたくない。本来の自チームでやっているパフォーマンスを評価して選びたいと思っています。個人の力だけではなくて、日本サッカーの良さ、強さはグループでの力、パフォーマンスだと思うので、連携だったり、連続してやっていくプレー。そういう形を取れる選手を選考していきたいと思いますし、まずは選手たちにいい状態に戻して、本来の自分のやれる、グループとしてプレーできる感覚を持ってほしいと伝えたいと思います」