【西野監督会見3】日本代表は「崩壊していると思っていません」
日本サッカー協会が12日、都内のJFAハウスで西野朗日本代表監督の就任会見を開いた。選手との信頼関係が薄まったことを理由にバヒド・ハリルホジッチ前監督は解任されたが、西野新監督は「現状、バラバラ、崩壊しているとはまったく思っていません」と強調。その上で「まだまだ出せる」と真価を発揮する余地はあると力説した。以下、一問一答の要旨【その3】。
-西野監督が監督個人として理想とするサッカーと代表の中で実現したいスタイルは。
「長い間、クラブの中での指導でしたので、ある意味、選手をどう生かしていく中で、チームがどう成長していくか、強化ができていくか、そういう選手がいるから(その選手に応じて)つくっていく部分がある中でのチームづくりですけど、代表チームは自分のある程度、理想とする、やりたいサッカーにそういう選手を当てはめていく、逆の発想の中でチームづくりができる。それは(アトランタ)オリンピック時代、その前のユースの代表時代に、そういう形でチームづくりをした感覚(がある)」
(続けて)「そういう中でも自分の理想は反映できると思います。たくさん、有能な選手が国内外にいますから、しっかりと把握した上で作り上げていきたいと思うし。ここ1カ月ですけど、作り上げていきたいと思いますし。その中で作り上げられる選手として見ていきたいと思います。思考が偏ってしまうところはあるので、有能なスタッフたくさんいますので、いろんなアイデアを持って(やる)。私に大きな変化が起こる、それをやれるのがサッカーでもあるし。継続した力を、変化を持って行く中で大きな力を得られるので。あまり、偏った理想、思考ではなくて、たくさん選択肢があると思うので、そういう感覚で選手たちを見ていきたいと思います」
-まだ選手に伝えるイメージはないのか。
「まだ現時点では描けません」
-チームを一つにするためにどんなアプローチを。
「現状、バラバラ、崩壊しているとはまったく思っていません。しっかり戦えていると思います。成果とか、個々のパフォーマンスが最大限に発揮できていない部分は感じていますけど、選手は代表のため、最大限のパフォーマンスを出すプレーは3月の遠征でもやっていましたし、まだまだ僕は出せると思いますけれども、そういう意味の伝え方を…。間違いなく誘導していかないといけないと思います。お互いの連携とか、コンビネーションとかグループですとか。チームの中で機能していくことが大事だと思います」
-ハリルホジッチ前監督は対戦3カ国を研究していたようだ。分析結果は引き継がれているのか。
「いえ。監督自身も本大会へ向けての3チームへのスカウティング、分析は強く求めていました。その蓄積はありますし、それは間違いなくベースになってくると思いますが、やはり、ここ1か月の動向、チームとしての準備、それに対するスカウティングをこれからさらに強くかけていかなければいけないと思います。急激に変わることが当然、予想されますので、テクニカルのスタッフの分析力を強く要求していきたいと思います。非常に細かいところまで分析をかけると、パワー(負担)的にもかかるところなので、そういうスタッフもメンバー編成を考えていくところだと思います」
-指導者としてのブランクで「心身を整えていきたい」という言葉もあった。ここから、監督として何が自分に一番求められると思うか。
「自分を整えるというところですが、確かに2年間、サポートの形でチームを見てきました。ただ、感覚的には同じ戦いをしてきましたので、そういう部分はさらにこう研ぎ澄ましていかないといけないなとは思いますし、確かにピッチ上での自分というもの、それは心身ともにしっかり立てる、その上で、ゲームに対する、チームに対する感覚はまた違うと思うので、そういう意味で戻さなければならないなという部分は多分にあると思うので、そこをこれからやっていきたいなと思います」