W杯公式球に選手の反応は…?「奇妙」「大きく動く」「そんなに変化感じない」
6月14日に開幕するサッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会。大会公式球として使用される「テルスター18」は、アディダス社が1970年メキシコ大会で初めて提供して以来、13代目の大会公式球。アディダス史上初めてNFC(近距離無線通信)タグが搭載されるなど進化した「テルスター」に込められたメッセージとは-。同社マーケティング事業本部の西脇大樹氏とともにボールの実像に迫りつつ、選手たちの使用感もお伝えする。
実際にロシア大会で「テルスター18」を使用する選手たちの評判はどうだろうか。昨秋に公式球として使用されることが発表されて以降、目立った反応はなかったが、W杯イヤーに入り、さまざまな声が聞こえるようになってきた。
3月23日に行われた国際親善試合、スペイン-ドイツの一戦。共に世界レベルで活躍する両国のGKは「テルスター18」への戸惑いを明かした。スペイン代表GKデ・ヘア(マンチェスターU)は失点シーンを引き合いに「本当に奇妙なこと」とボールの軌道に首をかしげた。また、ドイツ代表GKテア・シュテーゲン(バルセロナ)は「あのボールはとても大きく動く。僕らはW杯が始まる前に、できるだけ早く慣れないといけない」と口にする。
これは日頃からどのボールを使っているか、という点から来る使用感だろう。例えば、アディダス社製のボールが公式球であるJリーグに所属している日本代表GK東口順昭(G大阪)は「Jリーグで使っているし、アディダスはアディダスでそんなに(昨季までのボールと)変化を感じない」と前置きした上で「(ACLなどで使用する)ナイキのボールを使ってからだと、やっぱ変化は感じますね。反発が強いから無回転にもなりやすい」と証言。メキシコリーグでは自国のVOIT社製を蹴っているFW本田圭佑(パチューカ)も周囲に「テルスター18」に適応する必要性を漏らすなど、他メーカーとの比較となると、その違いは大きそうだ。
10年の南アフリカ大会で使用され、無回転シュートが激増した「ジャブラニ」のような派手な個性はない「テルスター18」。だが、本大会までの準備期間できっちりと適応していくことも選手には求められる部分となる。