ハリル氏、寄り添ってきた熊本への思い吐露「観光客として行きます」
サッカー前日本代表監督のバヒド・ハリルホジッチ氏(65)が27日、都内の日本記者クラブで記者会見を開いた。登壇から降壇まで93分。突然の解任劇への不満を述べながらも、「個人的なメッセージ」として被災地・熊本への思いを口にした。
「熊本県にも個人的に感謝をしたい。熊本県から、特別なメッセージを直々にいただいた」。ハリル氏は柔和な表情で語りかけた。
この日もスーツには「くまモン」のピンバッジがあった。2016年の熊本地震発生後の5月、被災地入りして、避難所や避難生活中の子どもたちがサッカーをしていた場所を訪問。支援物資を届けながら、子どもたちに声をかけてきた。
その際、県庁で渡された「くまモン」のバッジを、日本代表のオフィシャルスーツを着る際にお守りのように身につけてきた。
以降、昨年4月にも熊本を再訪するなど、被災地に寄り添ってきた。そんなハリル氏の思いを受けるように、4月7日の電撃解任後には、くまモンが「ハリルさん、今までありがとうだモン。僕のバッジを付けて、熊本のことをいつも励ましてくまさり、本当にうれしかったモン」「ずっと応援してるモン」と感謝とエールを送っていた。
かねて「ロシアにも付けていきたい」と「くまモン」バッジをW杯に“同行”させることも約束していたが、それは、かなわぬ約束となった。
それでも「ワールド杯に行く前に熊本にも足を運ぶと約束したので行きたいです。次回は観光客として熊本に行きます」。日本代表監督ではなくなっても、一人の人間として約束を果たす-。実直な人柄がうかがえた。