イニエスタ、愛すべきバルセロナと別れ… 新天地・神戸で“史上最高”に
スペイン1部バルセロナから今季限りで退団することを発表したMFアンドレス・イニエスタ(33)のJ1神戸加入が8日、濃厚となった。数多くの名選手を輩出してきたバルセロナの下部組織出身者の中でも「最高傑作」と評された男。類いまれなる技術、卓越した戦術眼を兼ね備えたその姿は、現代サッカーの攻撃的MFにおける究極の理想像と言えるだろう。
バルセロナで同僚のメッシ、レアル・マドリードのエースC・ロナウドのようにゴールを量産する選手ではない。それでも年間最優秀選手を決める「FIFAバロンドール」の投票で2010年に2位、11年に4位に入るなど、その評価は揺るぎない。
相手守備陣を切り裂く巧みなドリブルに鋭いパス、冷静な状況判断に献身的な守備。スペイン代表のデル・ボスケ前監督は「完璧な選手だ」、バルセロナ監督時代に指導した現マンチェスター・シティのグアルディオラ監督も「みんなにとっての手本」と称賛を惜しまない。
ここまでバルセロナ一筋。17年10月には契約を延長し、クラブ史上初の「生涯契約」を結んだ。だが今年に入り、そんな愛すべきクラブとの別れを選び、新天地での現役続行を決めた。まだまだ力は衰えていない。これまでJリーグにはMFジーコ(鹿島)、FWストイコビッチ(名古屋)、MFドゥンガ(磐田)ら大物外国人選手が何人も在籍してきたが、イニエスタが神戸加入となれば、“史上最高”の輝きを放つに違いない。