川崎・中村憲剛「YMCA」ポーズ 西城さんへ鎮魂弾「俺が2点なんてそうない」
「明治安田生命J1、川崎3-0清水」(20日、等々力陸上競技場)
川崎はMF中村憲剛(37)の2ゴールなどで3-0と清水に快勝し、3位に浮上した。中村はJ1通算419試合出場となり、大卒選手ではMF藤田俊哉(元名古屋など)と並び歴代最多となった。首位・広島はホームで0-2とC大阪に敗れた。神戸は4-0で札幌に快勝。J1はW杯ロシア大会開催による中断期間に入り、7月18日から再開される。
ほぼ中央ゴールまで約25メートルで得たFK。「『これは(人)壁を越えたら入るな』と。ボールを置いたときにもう、そんな感覚があった」と中村。前半19分、右足からのそれはイメージ通りに壁を越え、ゴール右に。419試合出場という節目の試合を自ら祝ってみせた。
後半12分にはダメ押し弾。相手GKが味方の河井にパスを出したところに絡んでボールを奪い取ると、そのままゴール前へ。左足で押し込んだ。「1試合に1回あるかないかのプレー。だけど今回はあった」。抜け目なさも売りのベテランならではの仕事だった。
川崎市に住んでいたことが縁で、ハーフタイムショーなどで長年にわたって試合を盛り上げてくれていた、歌手の西城秀樹さんが亡くなった直後。選手は喪章をつけ、試合前には黙とうもささげられた。中村も2点目を決めた際、サポーターに向かって「YMCA」ポーズを披露した。「俺が2点なんてそうない。西城さんが力を貸してくれたのかもしれない」。追悼、そして鎮魂の2発でもあった。