なでしこ 女王奪還!菅沢が劇的V弾 世界一返り咲きへ…アジアで負けていられない
「アジア大会・サッカー女子・決勝、日本1-0中国」(31日、パレンバン)
サッカー女子決勝で日本が中国を1-0で下し、2大会ぶりの金メダルに輝いた。4月のアジア・カップに続き、「なでしこジャパン」が今年2つめのタイトル。前回の対戦では快勝した中国に防戦一方ながら、最後の最後に決勝点を奪い、勝利だけは譲らなかった。試合終了の笛が鳴ると、雨でびしょぬれになった選手は安どの表情で抱き合った。
劣勢に耐え続けたチームを救う大仕事を、FW菅沢優衣香(27)がやってのけた。0-0の後半45分、右サイドを駆け上がったMF中島からのクロスを完璧なタイミングで頭に合わせてゴール左隅へ。2大会ぶりの優勝を決める値千金の一発に「あそこしかなかったので飛び込んだ。最高でしたね」と感慨に浸った。
168センチの高さを生かし、前線の柱にと期待されるが、昨年の代表戦では6月のベルギー戦の1得点のみ。決定力不足という周囲の評価を覆そうと今大会に臨み、準決勝の韓国戦では先制点を挙げた。この試合も後半11分に籾木と交代すると「ワンチャンス、絶対来ると思っていた」と嗅覚を働かせ、ものにした。
「攻守ともに世界一を取ると言うには課題が多い。ただ、勝って終われたことは素晴らしい。素直にみんなで喜びたい」と高倉麻子監督。国内チーム所属選手だけでアジア女王の座に返り咲き、来年の女子W杯や2020年東京五輪への底上げにつなげた。
前回の2015年W杯カナダ大会では控えメンバーに終わった菅沢。1年後に控える2度目の大舞台へ、27歳のストライカーが確かな存在感を示した。