初選出の伊藤達哉 森保ジャパンの新兵器になる シャドーかウイングバックが濃厚
「キリンチャレンジカップ、日本-チリ」(7日、札幌ドーム)
森保一監督(50)の初陣となる国際親善試合チリ戦、コスタリカ戦(11日、パナスタ)に臨むサッカー日本代表は3日、札幌市内で合宿を開始し、19選手がランニングなど軽いメニューで約40分間、体を動かした。代表初選出のMF伊藤達哉(21)=ハンブルガーSV=は「ブンデスでやってたようなパフォーマンスを代表でそのまま出せたら」と出場に意欲。高校3年でドイツに渡り、Jリーグを経験していない“逆輸入ドリブラー”が森保ジャパンの新兵器となる。
163センチの小さな体に大きな野心を秘める。A代表初選出の伊藤は「4年後に向けた新しい日本代表に選ばれる可能性は、客観的に見てあると思っていたので、やっと来たなという思いだった」と物おじせずに語った。
高校3年でドイツに渡り、17年に20歳でブンデスデビュー。17-18年は20試合に出場した。「もしかしたらW杯に間に合うんじゃないかと思っていた。サプライズ枠という形だったと思うけど、監督がやりたいサッカー次第だと」。ロシアの地を踏む夢はかなわなかったが、日本代表もW杯も決して遠い夢だとは感じていない。
海外組としての誇りもにじませた。「一応、くくりで言ったら海外組だし、プレーの強度も高いところはある。背伸びしてプレーするより、できることだけをやる」。切れ味鋭いドリブルが持ち味。ハンブルガーSVではサイドを主戦場に屈強なドイツ人と対峙(たいじ)してきた。「自分のは一対一で抜き切るドリブル。クロスやチャンスメークするドリブルは伊東純也くんに近い」と説明した。
起用法は未知だが、3-6-1のシャドーかウイングバックが濃厚。「どちらが合っているか分からないが、サイドの方が分かりやすいかな」と代表でのプレーを思い描く。
Jリーグを経験しないままA代表デビューすればFW宮市亮(当時ボルトン)以来となる。97年生まれの東京五輪世代。「チャンスなんでいかに自分のプレーでアピールできるか」。21歳の“逆輸入ドリブラー”が母国でベールを脱ぐ。