森保ジャパン初陣、北海道地震で中止「残念ですけど自然災害には太刀打ちできない」
日本サッカー協会は6日、同日未明に北海道で震度7を観測した地震を受け、7日に開催予定だった親善試合・チリ戦(札幌ドーム)を中止すると発表した。札幌市内で合宿中の日本代表は、選手スタッフともに全員の無事が確認されているが、試合会場での公式練習なども取りやめ、宿舎周辺で散歩など軽めのメニューをこなすにとどめた。同戦がA代表としての初陣となる予定だった森保一監督(50)は「心から、被災された方々にお見舞い申し上げます」と沈痛な面持ちで話した。
さまざまな感情が、指揮官の胸には去来していた。札幌市内の宿舎で報道陣に応対した森保監督は、まず「多くの方が、この大地震で被災されたと思います。被災された方々の暮らしが、少しでも早く日常に戻ることを願っております。心から、被災された方々にお見舞い申し上げます」と言葉を発した。
もちろん、無念さもある。ロシアW杯後にA代表監督に就任してからの初陣だっただけに、チリ戦の中止決定に「残念です。残念ですけど、自然災害には太刀打ちできない。想定外のことも受け入れ、その時に一番大切なものをやっていって、また次につながっていけるようにしたい」。心の痛みを押さえ込み、前を向いた。
中止となった公式練習の代わりに、この日は宿舎周辺の散歩など軽めのメニューで調整。近くの広場では円陣の中心で約7分間、地震が発生した未明から避難行動などをした選手たちにねぎらいの言葉をかけつつ、感謝の気持ちを持つように説いた。「我々は自家発電があるホテルに泊めさせていただいてるが、ホテルのスタッフの方々はほぼ北海道の人たち。いろんな不安を抱え、心が傷ついている中で我々に対応してくださっている。支えていただいていることに感謝の気持ちを持って過ごしてほしい」と語りかけた。
インフラ面の回復状況次第ながら、7、8日は11日のコスタリカ戦(吹田)に向けて札幌市内で調整を続け、予定通り8日夜に大阪入りする予定。「もちろん試合(コスタリカ戦)はやりたい。ただ、自分たちでコントロールできる問題でもないので、与えられた環境の中でやっていきたい。我々はサッカーからでしかサポートできないが、我々も心を寄り添わせているんだと、みんなで考えていきたい」。心を被災者に寄り添わせながらも、森保ジャパンは前を向いて進んで行く。