森保ジャパン、若手躍動で初陣星 被災地に届けた“仕切り直し”3-0快勝!

 「キリンチャレンジカップ、日本3-0コスタリカ」(11日、パナソニックスタジアム吹田)

 W杯ロシア大会後に就任したサッカー日本代表の森保一監督(50)が、“仕切り直し”の初陣を快勝で飾った。若手選手が躍動し、コスタリカ代表に3-0。監督初戦となるはずだった7日のチリ戦が北海道で発生した地震のため中止となり、この日の舞台となった大阪も台風の被害に遭ったばかり。被災した人々に勝利を届けた。

 森保監督は“現在進行形”で成長を重ねている指揮官だ。J1広島を率いて、6年間でリーグ3度の優勝を誇るなど日本人監督としては屈指の実績を誇るが、一番の武器は学ぶ力。「代表選手たちのレベルの高さを見て、私自身も素晴らしい経験ができました」。時折メモを取りながら試合を見つめていた指揮官は、初陣となった90分間を振り返った。

 長崎日大高から、87年に当時JSLのマツダ入り。入団当時の評価は低く、当初はサテライトチームの試合に出て、トップチームでの練習参加すらもかなわなかった時期もあった。だが、オフト監督に見いだされてトップチーム入り。そこからは加速度的に成長。日本代表に登り詰めた。

 指揮官とマツダの同期入団である河村孝氏(現J2山口社長)はこう振り返る。「ポイチ(森保監督の愛称)は、人から吸収する能力が本当にすごい。自分よりもうまい先輩たちと一緒にいて、いつの間にか吸収して自分のものにしとった」。当時の日本で先鋭的だったオフト監督による近代サッカー、ドイツでプレー経験のあった風間八宏氏(現J1名古屋監督)ら、吸収するべき“教材”には事欠かなかった。風間氏は当時を「昔の話だからかんべんしてよ」と苦笑いして多くは語らなかったが、河村氏は「八宏さんに影響された部分は大きいと思う」。食事面や、サッカーに対する向き合い方などが磨かれていったという。

 ロシアW杯はコーチとして経験。「私が西野さんから、学ばせてもらった部分もある」。広島時代の代名詞である3バックの布陣に固執せず、柔軟性を高めるためにも4バックの布陣を運用。西野前監督のマネジメントもまた、森保監督にとっては格好の教材だった。

 チーム自体も被災した6日未明の北海道地震、そして台風21号によって甚大な被害が出た大阪での初陣。「日本全国で自然災害によってつらい思いをしている方々に励ましのメッセージを送りたかった。今日の試合にかかわったすべての人に感謝を申し上げたい」。感謝と成長を積み重ね、森保ジャパンは高みを目指していく。

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