サッカー選手の不貞行為をクラブが異例の公表 要求受け「脅迫と受け取らざるを得ない」
サッカー東海社会人リーグ1部に所属している鈴鹿アンリミテッドFCが12日、公式サイトで所属選手の不貞行為と、それに伴い「脅迫と受け取らざるを得ない行為」を受けたことなどを公表する異例の決断に踏み切った。
所属選手のDF藤井竜(ふじい・りょう)が既婚女性と不貞行為に及び、その事実がその女性の配偶者である男性に知られたと発表。「慰謝料請求を受けると共に、鈴鹿アンリミテッドFCの即時退団の強要」を求められたといい、それができない場合は「『サッカーを出来ない体にしようか』という脅迫と受け取らざるを得ない行為を受けている事実が発覚しました」と報告した。
藤井本人、選手会の承諾を得た上で、クラブは聞き取り調査を行った内容として、事案の経緯をまとめている。それによると、9月中旬に該当女性から藤井へコンタクトがあり、9月下旬に女性が藤井の部屋を3回訪問し、2回不貞行為に及んだ。さらに9月末に、相手女性と配偶者の男性が藤井の部屋に無断で入り、藤井の退団と慰謝料500万円を要求したとしている。
配偶者の男性は、「部屋で暴れる、水を撒き散らす、物を壊す」などの行為を行っているとも報告し、クラブは「お怒りの気持ちは重々理解は致しております」とした上で、他の選手の安全確保も考えて、事案全体について発表したという。また、警察署にも相談しているとした。
現在、クラブは弁護士を立てて、配偶者の男性との話し合いを進めているとした。藤井は公式サイト上で「チーム関係者様、応援・支援してくださる企業様、サポーターの皆さん、そしてチームメイトには本当に申し訳ありません。そして何より、相手方の配偶者様には謝っても許されることではないと日々反省しております。本当に申し訳ありませんでした」と謝罪。配偶者の男性が要求した通りに退団することも考えたというが、「覚悟を持って残留を決めました」とし、「今回の事をしっかり反省をし、責任と自覚をもって行動していき、失った信頼を回復できるよう一生懸命努めていきます」と反省の言葉をつづっている。
鈴鹿アンリミテッドFCは地域リーグというカテゴリーにあたる東海社会人リーグ1部で今季優勝している。JFL昇格を目指し、11月に開催される全国地域チャンピオンズリーグに出場予定で、これを勝ち抜けば全国リーグであるJFLに昇格できる。