「キリンチャレンジカップ、日本３－０パナマ」（１２日、デンカビッグスワンスタジアム）

　日本が３－０でパナマに快勝した。森保一監督（５０）は９月のコスタリカ戦に続き、就任後２連勝となった。前半４２分、ＭＦ南野拓実（２３）＝ザルツブルク＝が先制の２戦連続ゴールをたたき込み、後半２０分にはＭＦ伊東純也（２５）＝柏＝が２戦連発の２点目。同４０分にはオウンゴールでリードを広げた。代表デビューのＤＦ冨安健洋（１９）＝シントトロイデン＝ら守備陣も無失点と踏ん張った。

　いつもと違う自分がいた。デビューは試合前のミーティングで伝えられた。「始まる前までボーッとしていたというか、今までにない感覚」。何もかも初体験の１９歳。冨安はそれでもフル出場で完封勝利に貢献した。

　「始まってしまえばすんなり動いた」。プレーは堂々。１８８センチの高さを生かした守りで相手の攻撃をはね返す。前半３９分にはＦＷ大迫へのスルーパスを通し、ＭＦ南野のシュートにつながる絶好機の起点となる。起用に応えてみせた。

　１０代の日本代表出場は１２年のＦＷ宮市亮（ザンクトパウリ）以来。Ｊリーグ発足以降ＤＦで出場した１０代の選手は市川大祐（元清水など）、内田篤人（鹿島）に続いて３人目。重責を担うセンターバックに限れば初だ。

　周囲の声には「堂安も同い年ですし、誕生日が僕が来ていないだけなので」と気にも留めない。「同世代にたくさんいい選手がいて、負けないようにと切磋琢磨（せっさたくま）しながらやっていければいいなと思う」と上を見据えた。

　先輩ＤＦはこぞって絶賛だ。コンビを組んだ槙野は「身長があるなかで動けるし、人にも強い。面白い素材がたくさん詰まっている」。ベンチから見つめた吉田は「思った以上にやれると感じた。突き上げが必要なポジション」。その台頭を歓迎した。

　「まだ１試合やっただけ。これでどうこうというわけではないと思うので。また練習からアピールしないといけないですし、立場というのは変わらない」。この１試合を、未来へ続く大きな第１歩にしてみせる。