【福西崇史 熱血EYE】後半に怖さが見られなかったことが課題

 「キリンチャレンジカップ、日本1-1ベネズエラ」(16日、大分銀行ドーム)

 日本は1-1でベネズエラと引き分け、森保一監督(50)の就任後、4連勝はならなかった。DF酒井宏樹(28)=マルセイユ=が前半39分に代表初ゴールを決めて先制も、後半に酒井のファウルでPKを与えて追い付かれた。勝ち切れなかったが、スタジアム周辺の渋滞のために会場入りが1時間近くも遅れるアクシデントに見舞われながら奮闘した選手たちに、指揮官は及第点を与えた。20日には年内の代表最後となる一戦で、キルギスと対戦する。

  ◇  ◇

 全体的に全員が勝利、そしてゴールを目指して戦っていた。森保監督が競争を促しているから、前の選手も意識が高かったし、ディフェンスラインも集中力が高かった。

 堂安が中へ入るタイミング、南野と大迫の関係、中島が中へ切り込むところや、柴崎が絡む場所など、コンビネーションや距離感の作り方が試合を重ねるごとに良くなっている。だからボランチのワンタッチが多く、サポートも早い。試合経験がプレーの質を向上させている。

 特に堂安と遠藤は光っていた。前半、シュートをクリアした堂安は身体能力が高いし、あそこまで戻った判断に集中力の高さがうかがえた。遠藤は運動量が豊富で、守備における寄せとタイミングが良かった。酒井の先制点は体の合わせ方がうまかったが、PKを許した場面はジャンプではなく回り込んだ方が良かった。

 課題は後半に怖さが見られなかったことだ。前半に出た選手はボールを前に運ぼうとしていた。パスにしてもドリブルにしても、もっと仕掛けないと相手は怖がらない。

 会場入りが遅れたことについては、選手はリズムがあるし、準備ができないと心の余裕もなくなる。試合への入り方が難しくなるものだが、入りのところでゆっくりとしたパス回しを増やすことで整えていた。(02年日韓、06年ドイツW杯日本代表=デイリースポーツ評論家)

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