元スペイン代表FWビジャの神戸入りが正式発表、移籍理由は「歓迎の気持ち」とイニエスタ
J1神戸は1日、神戸市のノエビアスタジアム神戸で会見を開き、元スペイン代表で米メジャーリーグサッカー(MLS)ニューヨーク・シティを今季限りで退団するFWダビド・ビジャ(36)の来季加入を発表した。
契約書のサインを終えたビジャは「温かく歓迎してくださったことに感謝したい。このチームにいられてとても喜んでいる。自分の最大限を尽くして、クラブをより高みに導きたい。早くスパイクを履いてゴールを決めることで恩返ししたい」と第一声を発した。
神戸への移籍を決断した理由として「移籍先が示してくる歓迎の気持ちを大事にしてきた。神戸には初めからそれを感じたことが大きな理由の一つだった。他には神戸が推進しているプロジェクトの一員になれること、テクニカルでボールを保持するサッカーを、世界最高の選手の一人であるイニエスタの側で、クラブに植え付けるお手伝いができることに大きな魅力を感じた」と語った。決断に至る過程でイニエスタに電話したことを明かし、神戸の街の良さやクラブの居心地などを聞き「いい印象を持った」とも話した。
同席した三木谷会長は「スペイン代表、バルセロナでプレーしたビッグネーム。天性の点取り屋でサッカー頭脳という意味でもインテリジェントな選手。リーダーシップもある」と、ビジャに大きな期待を寄せた。
会見後には名前入りのユニホームも披露されたが、背番号は空白だった。
会見に先立ち、ビジャは神戸-仙台戦を観戦。「素晴らしい試合だった。終盤に2点決められたが、終始神戸がボールを持って主導権を持ってたくさんのチャンスを作っていた。見ていて楽しむことができた。早く来季が始まって、チームに加わることを楽しみにしている」と印象を述べた。
ハーフタイムには神戸の三木谷浩史会長と同席する姿が場内のビジョンに映し出され、会場から大歓声が上がった。スーツ姿のビジャはその後、ピッチに降りてゴール裏のサポーター席に出向いた。興奮した神戸サポーターから盛大な“ビジャ・コール”に迎えられ、笑顔で手を振って応えた。また、午後3時過ぎには自身の公式ツイッターに「My new club」と投稿。添付された映像には、日本に上陸する様子や神戸のユニホームをまとった姿が映っていた。
ビジャはスペインが優勝した08年欧州選手権、10年南アフリカW杯で得点王に輝き、スペイン代表通算59得点は同国の歴代最多記録となっている。12月に37歳を迎えるが、今季はリーグ戦23試合14得点と決定力は健在。米MLSの4年間で公式戦80得点を記録した。
イニエスタとは10~13年シーズンまでバルセロナでともにプレーし、欧州チャンピオンズリーグ制覇、リーグ2連覇など計8冠獲得に貢献した。イニエスタの能力を最大限に引き出すFWとして適任で、イニエスタもかつての同僚の獲得を熱望していたという。
ニューヨーク・シティなどを運営するシティ・フットボール・グループと業務提携している横浜Mもビジャの移籍先候補に挙がったが、イニエスタやリージョ監督の存在も大きく、神戸入りの決断につながったとみられる。