浦和、天皇杯V7 J初4戦連続完封で平成最後の王者 低迷リーグ戦から躍進

 「天皇杯・決勝、浦和1-0仙台」(9日、埼玉スタジアム)

 浦和が仙台を1-0で下し、12大会ぶり7度目の優勝を決めた。賞金1億5000万円を手にし、昨年制覇したアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)の出場権も獲得した。浦和は前半13分にMF宇賀神友弥(30)が右足でボレーシュートを決めた。初タイトルを狙った仙台は東北勢初の優勝を逃した。元日決勝が恒例の天皇杯だが、今大会は来年1月5日に開幕するアジア・カップなど他の大会との兼ね合いで前倒しとなった。次回大会は2020年元日に新国立競技場で決勝が行われる。

 勝利の凱歌(がいか)は、いつまでも夜空に響いていた。浦和の主将MF柏木が賜杯を高々と掲げると、スタジアムを埋めた5万人超から、地鳴りのような歓声と拍手が勝者に降り注いだ。

 圧巻の一撃が、12大会ぶりの制覇へとつながった。前半13分、右CKからのこぼれ球に反応したのはMF宇賀神。「形としてはできすぎ」と振り返ったのは、右足で完璧に捉えたボレー弾。伏兵の一発が決勝点となった。

 “オズの魔法”が、赤い悪魔をよみがえらせた。4月下旬。リーグ戦の低迷を受け、シーズン途中に就任したオリベイラ監督が真っ先に立て直したのは、選手のメンタル面。「練習姿勢も、少し無気力さがあった。まずモチベーションを与えることが必要だった」。就任後に初戦を迎えた天皇杯は「絶対に取る」と選手に通達。有言実行で頂点に導いた。

 準決勝・鹿島戦前には、慣例となっていた試合前の非公開練習を、急きょ公開に。さらにその前日には多くのサポーターが集う居酒屋へ、自ら出向いて「選手に力を与えて欲しい」と直談判。練習場には多くの断幕が張られ、選手を鼓舞するチャントが流れた。さらに決勝直前には、各選手の好プレーをまとめたモチベーションビデオを用意。選手たちに自信と誇り、そして覚悟を植え付けた。

 鹿島時代も含め、カップ戦の決勝戦では負け知らずという勝負師の名将。これで国内最多となる主要3タイトルは7勝目となった。ベテランのMFは阿部は言う。「浦和レッズはサポーターと選手が一つになると、抑えきれない存在になる」。すべての要素が互いを高め合い、7度目の日本一を浦和の歴史に刻んだ。

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