家長MVP!史上初の川崎から3年連続選出“盟友”本田からサプライズメッセージも
「2018Jリーグ・アウオーズ」(18日、横浜アリーナ)
Jリーグは18日、横浜アリーナで年間表彰式「Jリーグ・アウオーズ」を開催し、最優秀選手賞は川崎の2連覇に貢献したMF家長昭博(32)が初受賞した。今季32試合出場6得点で、攻撃の中心としてチームを引っ張った。一昨年の中村憲剛(38)、昨年の小林悠(31)に続き、3年連続で同じクラブから最優秀選手が出るのは初。ベストイレブンには川崎から同一クラブで過去最多に並ぶ7人が選出され、東南アジア出身選手として初となるタイ代表のチャナティップ(25)=札幌=らが名を連ねた。
いつもはクールな男の表情が、わずかに柔らかくなった。MVP受賞の発表と共に、カクテルライトを全身に浴びた家長は、静かに喜びをかみしめた。
受賞スピーチでは「日頃、あまり言えない」という胸の内を明かす。「川崎の皆さんに支えられて、この賞を受賞することができました。そして自分のサッカー人生を一番支えてくれた家族。感謝したい」。今季、6得点7アシストの成績を「平々凡々」と自己評価するが、共にプレーするMF中村は「苦しい時に突破口を開くのはアキの左足。隣でやっているので、こんなに頼もしい選手はいない」と評する。連覇に欠かせない活躍だった。
天才と呼ばれた男は、紆余(うよ)曲折のサッカー人生を歩んできた。G大阪のジュニアユース時代から輝きを放ち、同じ左利きの同期である元日本代表MF本田(メルボルンV)よりも将来を嘱望された。ユース所属の3年時にはプロ契約を結びJデビュー。だが、層の厚いG大阪で定位置をつかめず。新天地の大分では、加入直後に右膝前十字じん帯を損傷する大けが。その後も、国内外多くのチームを渡り歩いた。
授賞式では、そんな“盟友”の本田からもサプライズメッセージ。スクリーンに本田が映し出され、祝福の言葉と共に「たまには古い友人にも連絡をよこして、会いにきてください。また昔話しましょう」と呼びかけられた。家長も「中学1年生から3年間、本当にいつも一緒にいて、生年月日も一緒で、運命を感じる選手だった。本当に(会いに)いきたい」と答えた。
長く、曲がりくねった道を歩んできた家長だったが、やはり天才には頂点がよく似合う。