鹿島小笠原「勝たせることできなくなった」21年間で17冠…39歳現役生活に別れ
すっきりした表情で、現役生活に別れを告げた。鹿島MF小笠原満男(39)が28日、茨城県鹿嶋市のカシマスタジアムで引退会見を行った。出場機会の減少とともに主力として勝利に貢献できなくなったことを一番の理由とした。今後については「クラブと相談したい」と鹿島に残って貢献する思い。ユニホームを脱いで、新しい形で常勝継承へ寄与する思いだ。
常勝軍団を支えてきた男の引き際だった。「試合に出る機会が少なくなり、ピッチの上でチームを勝たせることができなくなった」。小笠原は決断に至った思いを明かした。
チャコールグレーのスーツに同系色のネクタイ、水色の爽やかなワイシャツで臨んだ会見。寡黙な男が、1時間以上自らの思いを発した。「さらに強くなるためには自分が出場するより若い選手、これからの選手にピッチに立ってほしいと思った」と訴えた。
98年に鹿島入り。同年のU-20ワールドユース準優勝に貢献した黄金世代の一員。「中田(浩二)、本山、曽ケ端と一緒に入団したことが自分の財産。Wユースのときにも素晴らしい選手がいたからここまでやってこられた」とライバルの存在が原動力だった。
思い出に残るゴールを問われて、口にしたのは外したゴールだった。99年ナビスコ杯決勝・柏戦。PK戦で当時20歳の小笠原が外して試合は終わった。
「ジーコにも言われたんですけど、PK戦は120分戦い抜いてボロボロな状態でも狙ったところに蹴らないといけない。そのためにも練習でインサイドキック1つも真剣にやれと」。その教訓を胸に刻んで21年間の現役生活を過ごした。
今後は何らかの形で鹿島に携わっていく思い。「このチームはタイトルを取り続けるべきであって、そこに対して違った立場で貢献したい」。クラブ20冠中、17冠に貢献。その魂を継承していく思いだ。