堂安、アジア杯日本代表最年少弾 20歳207日!21歳17日の小野伸二抜いた
「アジア杯・1次リーグ、日本3-2トルクメニスタン」(9日、アブダビ)
若武者がアジア杯初戦で歴史に名を刻んだ。MF堂安律(20)=フローニンゲン=が後半26分に貴重な追加点を挙げ、日本が3-2でトルクメニスタンを振り切った。20歳207日の堂安のゴールは、21歳17日のMF小野伸二(2000年レバノン大会)を抜いて、アジア杯の日本代表最年少得点。先制を許す苦しい展開の中で、伸び盛りの男がまばゆい輝きを放った。
雌雄を決した一発は日本の新たな歴史となった。2-1の後半26分、MF南野のパスを受けたMF堂安が反転から左足でアジア杯初ゴールとなる追加点を決めた。20歳207日での得点は日本のアジア杯最年少記録。00年レバノン大会のサウジアラビア戦で小野伸二が決めた21歳17日を大幅に上回った。
「全然意識していなかった。試合が終わって携帯(電話)を見て知った。受けた瞬間から打つと決めていた。少しラッキーな形だったが入ってよかった」
平然と振り返る姿は20歳のそれではない。先制を許した前半26分の失点は自身のパスミスが発端だった。それでも「試合中は謝るつもりはなかった」と持ち味の積極性が影を潜めることはなかった。「普通はナーバスになってしまうが、それでも下を向かないのは彼のメンタルの強さ」とDF長友も舌を巻く。
物怖じしない姿勢はピッチ外にも表れている。宿舎では長友に弟子入りしてヨガや体幹のトレーニングを繰り返す。「(長友は)今、代表で一番経験をしている選手なのでいろんなものを吸収したいと思っている。言い方は悪いけど、そういう人も利用して僕はのし上がっていきたい」と、どこまでも貪欲だ。
川口能活、小笠原満男、楢崎正剛、中沢佑二といった日本代表のレジェンドたちの引退が相次ぐ中で「魂を引き継ぐ気持ちはある」と自覚も十分だ。次戦は中3日でオマーン戦を控える。「初戦で苦しんだのは良かった。次は自分の実力はこんなもんじゃないと見せたい」。底知れぬ可能性を秘めた俊英は不敵に言い放った。